2005 Fiscal Year Annual Research Report
高軒則性ナノ孔を有する有機-無機ハイブリッド超薄膜の創製
Project/Area Number |
17310049
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
川上 浩良 首都大学東京, 都市環境学部, 助教授 (10221897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝山 章一郎 首都大学東京, 都市環境学部, 助手 (90315755)
鈴木 嘉昭 独立行政法人理化学研究所, 先端技術開発支援センター, 先任研究員 (40342802)
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Keywords | 有機-無機ハイブリッド / 超薄膜 / ナノ孔 / イオン照射 / プラズマ処理 / 親水性 / エッジング効果 |
Research Abstract |
高規則性ナノ孔径を有する多孔質膜は、超省エネルギー的な環境調和型かつ低負荷型の高効率な物質認識、物質分離を可能とする次世代型多孔質膜としてその創製が期待されている。無機材料からなる高規則性ナノ孔径多孔質膜の合成が精力的に進められているが、現状ではその孔径は十数ナノが限界であり、ナノ、サブナノ孔径の形成は難しく膜の強度や大面積化にも問題がある。 本研究では、従来多孔質膜の性能を凌駕する高透過能・高認識能を有する新規有機-無機ハイブリッド超薄膜の合成を試みる。 本年度は先ず、超薄膜スキン層を有する芳香族ポリイミド非対称膜表面にイオン照射(理化学研究所200kVイオン注入器)処理を行った。先ず、異なるイオン種(He^+, Ar^+, O^+, N^+)を選び、異なる注入条件(加速エネルギー、イオン照射量)で表面処理を行った。さらに、膜表面の親水性向上も試みた。今回は特に水系での溶質評価を目的としているため、プラズマ処理を併用し膜表面の親水化を試みた。さらに、イオン注入処理による表面親水化効果と共にエッジング効果についても検討した。イオン照射後プラズマ処理を施したポリイミド非対称膜の透過実験を行ない、得られた溶質透過性、選択性の結果から最適なイオン照射条件を探索した。透過実験の評価は、プラズマ処理された有機-無機ハイブリッド超薄膜に対し先ず分子量の異なるPEGや多糖類での透過測定(供給圧力、温度の影響)を行ない膜の基本性能を確認した。その結果、高い水透過性を有し分子量100前後の化合物の透過を抑制する優れた分離特性を有する新規有機-無機ハイブリッド超薄膜の作製に成功した。今後は、イオン種により形成される孔径と透過測定の相関を検討し、イオン照射の最適条件について検討する。
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Research Products
(1 results)