2005 Fiscal Year Annual Research Report
廃棄物熱処理プロセスにおける塩素の挙動解析と塩素化合物の低滅法の確立
Project/Area Number |
17310054
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
二宮 善彦 中部大学, 工学部, 教授 (10164633)
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Keywords | 飛灰焼成法 / 塩素化合物 / 塩化水素 / 塩素ガス / 廃棄物熱処理 / 気相平衡計算 / 塩素ラジカル |
Research Abstract |
飛灰の無害化処理技術として、飛灰焼成法が注目されている。しかしながら、本方法は、飛灰の組成比率、調合組成、温度、滞留時間、炭素成分濃度(還元度)などによって、金属およびその金属塩化物の蒸気圧が変化し、その結果として飛灰への残存量やその溶出特性が変化する。さらに、処理条件によって有毒な塩素ガスが発生する可能性があるため、廃棄物熱処理プロセスにおける塩素化合物の挙動を理論的に解明する必要がある。そこで本研究では、飛灰に還元剤や組成調整用の添加剤を加えてペレットの焼結特性と溶出特性を検討するとともに、そのときに発生する塩化水素、二酸化硫黄および塩素ガスの発生特性について検討した。 (1)塩素化焼成法の基礎研究として,Air/CO2/H2O/HCl/SO2系のシミュレート実験(反応温度:900〜1200℃、滞留時間:2〜8秒)を行ったところ、塩素ガスの最大発生濃度は、180vol ppmになった。この時、塩素ガスの発生に大きく影響を与える成分は塩化水素と水蒸気であることがわかった。塩素ガスの発生量は塩化水素の増加に伴い増加し、水蒸気の増加に伴い減少した。塩素ガスの発生量は、反応炉滞留時間に関わらずほぼ一定であった。また、塩素ガスの発生に対する酸素および二酸化硫黄はほとんど影響を与えないことが明らかになった。 (2)塩素ガスの発生挙動は、塩素ラジカルを考慮した気相平衡計算でほぼ推定できることが明らかになった。 (3)ペレットの焼結試験においても塩化水素とともに塩素ガスの発生が確認された。鉛、亜鉛などの高揮発性元素は、塩素化しやすいことを確認した。
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Research Products
(3 results)