2005 Fiscal Year Annual Research Report
動的斜め蒸着法による金属ナノ粒子の形態制御とプラズモニクスへの展開
Project/Area Number |
17310073
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鈴木 基史 京都大学, 工学研究科, 助教授 (00346040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 健二 京都大学, 工学研究科, 教授 (50127073)
中嶋 薫 京都大学, 工学研究科, 助手 (80293885)
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Keywords | 動的斜め蒸着 / 金属ナノ粒子 / 局所プラズモン |
Research Abstract |
成膜中に基板の傾斜角や面内角を変化させることによって複雑な3次元形態を有する薄膜を形成することが可能な動的斜め蒸着法によって,貴金属ナノ粒子の形態制御を行っている.具体的にはひな形層として50°〜82°で蒸着したSiO2連続2方向蒸着膜を用い,その異方性形態表面上に少量のAgを斜め蒸着することによって細長いナノ粒子,すなわちナノロッドを形成する.本年度は以下について検討した. 1,幾何学的成膜条件とナノ形態の関係解明 現有の成膜装置を使い,SiO_2とAgの組合せで幾何学的な成膜条件を変化させた膜を作製し,できた薄膜の形態との関係を詳細に調べた.形態はSEMやAFMによって直接観察し,光学スペクトルとの相関についても調査した.Agの形態はSiO2やAgの蒸着角を変化させると平均粒径やアスペクト比が系統的に変化した.SEMの後方散乱電子像から求めたナノロッドの平均粒径やアスペクト比から予想される局所プラズモン共鳴のエネルギーと,実際に作製した試料について透過率を測定してもとめた共鳴エネルギーは,定量的にもよく一致することが明らかになった.さらにこれらのナノロッドについて表面増強ラマン分光(SERS)を行った結果,バイオ化学センサとして有望な優れた特性を持つことがわかった. 2,基板温度制御機構の導入と雛型の形態制御 新たに赤外線ランプ加熱ヒータを導入し,成膜中に基板の姿勢を変化させながら加熱することのできるシステムを製作した.基板温度を400℃程度に加熱しても,基板の姿勢を制御するモータが加熱しないよう基板ホルダの材質などを工夫した.実際に加熱基板上にSiO2とAlの動的斜め蒸着膜を作成した結果,これまで予想していた結果とは異なる興味深い結果が得られた.詳細は次年度以降に検討する.
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Research Products
(4 results)