2006 Fiscal Year Annual Research Report
動的斜め蒸着法による金属ナノ粒子の形態制御とプラズモニクスへの展開
Project/Area Number |
17310073
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鈴木 基史 京都大学, 工学研究科, 助教授 (00346040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 健二 京都大学, 工学研究科, 教授 (50127073)
中嶋 薫 京都大学, 工学研究科, 助手 (80293885)
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Keywords | ナノ材料 / 表面・界面物性 / 光物性 / 自己組織化 |
Research Abstract |
成膜中に基板の傾斜角や面内角を変化させることによって複雑な3次元形態を有する薄膜を形成することが可能な動的斜め蒸着法によって,貴金属ナノ粒子の形態制御を行っている.本年度は以下について検討した. 1.Auナノ粒子の形態制御と表面増強ラマン分光(SERS)基板への応用 昨年度までに確立した動的斜め蒸着法による金属ナノロッドアレイ形成技術を化学的に安定なAuに適用することにより、安定で再現性の高いSERS基板を実現した。動的斜め蒸着法によれば、Auナノロッドの局所プラズモンの共鳴波長を、Auの誘電応答関数の虚数部が小さくなる近赤外領域にチューニングすることが容易であり、これによって、Agナノロッドアレイと同等かそれ以上の高いラマン散乱の増強を実現した。 また、高感度なSERS基板では基板表面の清浄化が課題であるが、これを解決するために、光触媒機能を有するひな形上への貴金属ナノロッドの形成の試みを開始した。 2.高温斜め蒸着法による金属ナノウィスカ成長の発見 基板を蒸着する物質の融点の1/2以上に加熱し、80°以上のすれすれの角度で金属を蒸着すると、太さ数10〜数100nm、長さ10μmに達する単結晶のナノウィスカが成長することを発見した。これまで蒸着によって針金や坩塙の表面に金属ウィスカが成長することは知られていたが、ウィスカの成長に斜め方向から蒸着されることが決定的な要因になっていることを発見したのは我々が初めてである。Appl.Phys.Lettに発表した論文は投稿から受理まで2ヶ月弱、Virtual Journal of Nanoscale Science & Technologyにも選ばれるなど高い評価を得た。既発表の論文ではAlウィスカについて論じているがすでにAu,Ag,Feなどでもウィスカが成長することを確認している。成長の詳細なメカニズムの解明と実用的な有用性を見いだすことが今後の課題である。
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Research Products
(4 results)