2006 Fiscal Year Annual Research Report
透光性ナノクリスタル蛍光体の創製と波長変換型光学デバイスへの応用
Project/Area Number |
17310076
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
磯部 徹彦 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (30212971)
|
Keywords | ナノ材料 / ナノ蛍光体 / 光物性 / ディスプレイ / 固体素子照明 / LaPO_4:Ce^<3+>,Tb^<3+> |
Research Abstract |
化学的,熱的安定性を持つLaPO_4にCe^<3+>とTb^<3+>を共ドープすると,Ce^<3+>がd-f許容遷移によって励起こされ,Ce^<3+>からTb^<3+>へエネルギー移動が起こり,f-f禁制遷移による緩和からTb^<3+>が緑色に発光する.LaPO_4:Ce, Tbのナノサイズ化や表面吸着種である溶媒分子や表面修飾剤の吸着が結晶場および蛍光特性に与える影響を,蛍光内部量子効率を算出して定量的に検討した.LaPO_4:Ce, Tbナノ蛍光体は,金属酢酸塩とリン酸トリメチルを,水とメタノール混合溶媒に投入し,140℃2hオートクレーブ処理した後,水/メタノール混合溶媒で3日間透析しコロイド溶液を得た.同溶液にラウリルリン酸を添加し,n-ヘキサンおよびジメチルスルホキシド(DMSO)溶媒に再分散し,表面修飾をしたLaPO_4:Ce, Tb透明分散液を得た.比較として,親水性リン酸系表面修飾剤を添加した水/メタノール混合溶媒コロイド溶液も作製した.相対蛍光内部量子効率φ_<pu>は,硫酸キニーネの蛍光量子効率を標準値として,吸光度と蛍光スペクトルの面積の比から算出した.表面修飾後の有無に関わらず,可視光に対する透明分散性が保たれた.非水系のn-ヘキサンおよびDMSO中での表面修飾によって,LaPO_4:Ce, Tbのφ_<pu>は0.46%からそれぞれ13.4%,10.5%に上昇し,蛍光寿命は2.97msから3.43ms,3.39msに増加した.水/メタノール中の表面修飾ではφ_<pu>は0.46%から5.31%に上昇し,蛍光寿命は3.42msに増加した.φ_<pu>と蛍光寿命の増加は,表面修飾による表面アニオン欠陥の不動態化を示唆する.
|
Research Products
(2 results)