2005 Fiscal Year Annual Research Report
オンチップ型ゲノムDNA単分子操作・解析デバイスを目指した要素技術研究
Project/Area Number |
17310081
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小穴 英廣 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (20314172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鷲津 正夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10201162)
加畑 博幸 京都大学, 医学研究科, 科学技術振興助教授 (70293884)
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Keywords | DNA / 光ピンセット / マイクロマニピュレーション / マイクロ液体デバイス / 単分子操作 / ゲノム / 高次構造 |
Research Abstract |
本研究課題においては、(1)狙った一つの細胞からMbオーダー(mmオーダー)のゲノムDNAを断片化することなく単離する。(2)単離したDNAの高次構造を制御し、単分子解析が容易な形態にして解析を行う。(3)解析後のDNAに対し、鎖上での空間的位置情報を押さえた上で興味ある塩基配列部分を回収する。という実験操作を全て顕微鏡下で連続的に行えるマイクロ流体デバイス開発を目指した、要素技術の確立を行っている。この目的達成を目指し、本年度は1)細胞からのゲノムDNA取り出し及びDNA高次構造制御用マイクロ流体デバイス製作、2)製作したマイクロ流体デバイス中での細胞選別及び細胞からのDNA取り出し技術確立に重点的に取り組んだ。マイクロ流体デバイスはPDMSを用いたソフトリソグラフィーにより製作した。流路の深さは約100μm、幅は200-600μmとした。この微細流路中にマイクロシリンジポンプを用いて、破裂した細胞が分散した低張液、界面活性剤溶液、塩化ナトリウム溶液をそれぞれ別々の微細流路から導入して合流させると、合流点では相流が確認された。この実験場中において、低張液中で破裂した細胞を捕捉し、界面活性剤場中へ光ピンセットにより搬送すると、捕捉している細胞の膜成分が破壊され、ゲノムDNAを単離することができた。ここで、界面活性剤としてSDSを用いた場合、クロマチン構造を形成しているヒストンも徐々に破壊され、DNAが凝縮した状態から解けた状態へ変化していく様子が観察された。次年度は、シリンジポンプによって微細流路中の実験場の溶媒環境をより精密に制御し、DNAの高次構造制御パラメータを獲得する事に重点を置いて研究を進める計画である。
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Research Products
(3 results)