2006 Fiscal Year Annual Research Report
実診断を目指したマイクロチップ免疫分析システムの研究
Project/Area Number |
17310087
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
渡慶次 学 名古屋大学, 大学院工学研究科, 助教授 (60311437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北森 武彦 東京大学, 大学院工学研究科, 教授 (60214821)
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Keywords | マイクロチップ / イムノアッセイ / 光硬化性樹脂 / 蛍光偏光検出 |
Research Abstract |
前年度までに開発したビーズ充填型マイクロチップイムノアッセイ法は、高感度な光検出器と組み合わせることで、迅速かつ高感度な測定が可能である。しかし、この方法は専用の送液システム(ポンプ、バルブ、試料・試薬導入用キャピラリーチューブなど)や検出システムが必要なため、病院などに設置する小型分析装置としては実現できても、妊娠検査キットのように個人レベルの簡易検査を実現するには、更なる簡便化が必要である。そこで今年度は、2種類の新しいマイクロチップイムノアッセイ法を開発した。 従来、ビーズ表面にキャプチャー抗体を固定化する方法には、直径25-45μm程度のビーズが用いられている。反応効率を高くするためには、ビーズ径を小さくするほうが良いが、液体の導入などの点で、これ以上小さな径のビーズを用いることは難しい。そこで、キャプチャー抗体を固定化した直径1μmのポリスチレンビーズと光硬化性樹脂を用いて、流路内にドット状の反応場を構築した。従来のビーズパック型の反応場とは異なり、流路内にドット状の反応場を作製することで、試料・試薬等の導入はキャピラリーフォースで行うことができ、簡便かつ迅速のアッセイが可能となる。これを用いてAFP(α-フェトプロテイン:腫瘍マーカー)の定量を行ったところ、分析時間10分で1ng/mlの検出限界を実現した。 均一系イムノアッセイは、溶液中で試料とキャプチャー抗体を反応させるため、不均一系に比較すると分析時間が短いのが特徴である。そこで、マイクロフルイディクスによる高速混合と蛍光偏光検出を組み合わせた新しい方法を開発した。この方法では、僅か1分程度でアッセイすることができ、信号のばらつきが小さく、再現性が高い。テオフィリン(気管支喘息の治療薬)をモデル試料して、本法の性能を評価したところ、良好な結果を得ることができた。
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Research Products
(3 results)