Research Abstract |
本研究では,高解像度光学センサ画像の2時期比較による被災建物等の自動抽出法の開発を行った.具体的には,画像の位置合わせ法,影の影響除去,色彩やエッジなどの適切な被害評価パラメータとその閾値や空間分布などについて,実際の被害地震の衛星画像を例に検討した.また事後画像のみを用いた被害判読との精度の違いについても定量的に検討した. 具体的には,2004年インド洋大津波による光学センサ画像,2006年ジャワ島中部地震による高解像度衛星画像,さらには2004年新潟県中越地震による航空写真を例題として使用した. インド洋大津波によるタイ南部の被災地域に対しては,津波前後の画像による正規化植生指標,水分指標,土壌指標を用いて,津波前後の変動と津波遡上域内・域外の被害を比較した.また,デジタル標高モデルの利用についても検討した. ジャワ島中部地震に関しては,高解像度衛星画像を用いた通常の土地被覆分類と,オブジェクト分類による比較を行った.その結果,高解像度衛星画像は,ノイズが乗りやすいため,オブジェクト分類の方が適切な分類が行えることが分かった.また,建物被害の抽出を2時期画像の土地被覆分類結果の差分により,可能であることが示された. 新潟県中越地震による航空写真については,地震後のデジタル画像処理によって,高速道路の路面や路肩の被害の自動抽出が可能となること,また画像のエッジ処理により,墓石の転倒率の推定が可能となることを示した.
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