2005 Fiscal Year Annual Research Report
安全な歩行誘導を実現する超指向性音響案内システムの開発
Project/Area Number |
17310096
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
鎌倉 友男 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (50109279)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 一樹 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (00208125)
青木 健一 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (30017412)
鈴木 英男 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (50333018)
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Keywords | 音環境 / パラメトリックスピーカ / SSB / ウエーバー(Weaver)方式 / D級アンプ |
Research Abstract |
日常生活での安全やアメニティを高めたいという社会的要求は多いが、音環境の改善もその一つである。例えば、鉄道各駅におけるホームアナウンスは、乗客の利便性のため、列車接近に対する注意喚起、ひいては歩行安全のためになされているが、ともすると放送過多や過剰案内になり兼ねない。ときとして、駅に隣接して生活する住民に騒音をもたらすことから、音環境の整備が必要になる。この事例はほんの一部に過ぎないが、必要な音声情報を必要な場所にだけ的確に伝える音響システムが実現すれば解決できる問題が多い。社会的に関心の高いこれらの問題を解決する一方策として、本課題では超音波を音声信号で変調して送波し、超音波の自己復調現象を利用して音声を空間内に再生する超指向性音響案内システムを開発し、限定エリアへの的確・明瞭な案内情報の提供と、歩行の安全誘導・確保を実現するための一連の研究を推進する。本年度は、超音波エミッタ素子の高能率化、低歪みの再生音のためのSSB変調方式、パワーアンプとスピーカとの整合性について取り組んだ。これら3つの課題のなかでもSSB変調については、ウエーバー(Weaver)方式が有力と捉え、それを調整が容易で経年変化の少ないデジタル回路で組み上げた。現在、この方式については特許申請中である。また、省電力化の一環としてのシステムの整合性については、アナログアンプからD級アンプに取り替えることで、消費電力を従来よりおよそ5分の1にまで低減できる指針を得た。ただし、再生音に不快にノイズが発生するといった整合性課題がまだ残り、次年度に継続して検討する予定である。
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