2005 Fiscal Year Annual Research Report
巨大地震による長周期地震動に対する医療機関の耐震機能評価と対策
Project/Area Number |
17310107
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
宮島 昌克 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (70143881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北浦 勝 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (70026269)
池本 敏和 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (60311677)
村田 晶 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (30283097)
清野 純史 京都大学, 工学研究科, 助教授 (00161597)
能島 暢呂 岐阜大学, 工学部, 助教授 (20222200)
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Keywords | 医療機関 / 長周期地震動 / 耐震機能評価 / 巨大地震 |
Research Abstract |
現在、被害地震の直後には被災建築物応急危険度判定士によって建物の健全度が判定されているが、医療機関の機能の健全度を評価するものではないので、医療機関においては効果を発揮し得ない。このような観点から本研究では、医療機関における救命ライフラインや医療機器の耐震機能評価法を考究することを目的とする。 まず、過去の地震における医療機関の被災資料を収集した。とくに、2004年新潟県中越地震に注目し、医療機関における救命ライフラインの代替施設の必要量や医療機器の設置方法と被害状況の関係などに注目した。その結果、地震後の医療機能損失の要因としては建物そのものの損壊、ライフラインの機能喪失、医療機器の転倒、落下に大きく分けることができた。そこで、今年度は特に、医療機器の動的挙動に注目して研究を進めた。 つぎに、南海・東南海地震などの巨大地震発生時に予想される大振幅の長周期地震動波形を作成するとともに、それを用いて免震病院の挙動解析を実施し、免震病院の応答が最大となるような入力波形を選択することを試みた。これについては現在も継続中であり、次年度への継続課題である。最悪地震動に対する検討の前に、医療機器類に多い、キャスター付き機器の振動特性を明らかにするために、正弦波を用いた振動台実験を行った。医療機関への聞き取り調査において、ストッパーのあるキャスターの付いた医療機器においてもストッパーで固定しない場合や、手前のストッパーのみ固定する場合が多いということが明らかになったので、固定方法を変えたすべての状況を設定して、ストッパー付医療テーブルの振動台実験を実施した。その結果、すべてのキャスターを固定する場合には過大な応答加速度に、すべてをフリーにする場合には応答変位に注目する必要のあることが確認された。振動台実験についても次年度に継続する予定である。
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Research Products
(6 results)