Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北浦 勝 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (70026269)
池本 敏和 金沢大学, 自然科学研究科, 助教 (60311677)
村田 晶 金沢大学, 自然科学研究科, 助教 (30283097)
清野 純史 京都大学, 工学研究科, 准教授 (00161597)
能島 暢呂 岐阜大学, 工学部, 教授 (20222200)
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Research Abstract |
現在,被害地震の直後には被災建築物応急危険度判定士によって建物の健全度が判定されているが,医療機関の機能の健全度を評価するものではないので,医療機関においては効果を発揮し得ない。このような観点から本研究では,医療機関における建物の健全度のみならず,救命ライフラインや医療機器の耐震機能評価法を考究することを目的とした。まず,2007年3月に発生した能登半島地震と7月に発生した新潟県中越地震の際に被災地の医療施設に対して地震被害が医療機能に与えた影響に関するアンケート調査を実施した。ここでは,これまでの研究成果で明らかとなったように,建物そのものの損壊,ライフラインの機能喪失,医療機器の転倒,落下に分けて,それぞれの被害が医療機能にどのような影響を及ぼしたかについて整理,分析した。その結果,能登半島地震および新潟県中越沖地震では,医療施設において生活機能,医療機能の両面に対して断水被害の影響が目立ったことが明らかとなった。また,診察や手術などの医療行為は震度5強以下ではほぼ通常通り行えており,患者の搬送を工夫することで被災地における医療活動の効率化を図ることができることが示された。つぎに,昨年に引き続き長周期地震動に対して敏感であると考えられ,しかも医療機器類に多い,キャスター付き機器の振動特性を明らかにするために,正弦波を用いた振動台実験を行い,医療機器類のフラジリティ曲線を求めた。さらに,病院内のライフラインの損傷や薬品棚の転倒が医療機能に及ぼす影響を検討し,それぞれのフラジリティ曲線を提示するとともに,地震時の医療機関の機能損曲線を提案した。
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