2006 Fiscal Year Annual Research Report
カタユウレイボヤの転写制御領域に関する情報学的モデル構築とその検証
Project/Area Number |
17310114
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中井 謙太 東京大学, 医科学研究所, 教授 (60217643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日下部 岳広 兵庫県立大学, 大学院生命理学研究科, 助教授 (40280862)
山下 理宇 東京大学, 医科学研究所, 特任助教 (10401259)
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Keywords | カタユウレイボヤ / プロモーター / マルコフ連鎖 / バイオインフォマティクス / モチーフ / 組織特異的発現 / モデル化 |
Research Abstract |
当初計画に従って、カタユウレイボヤ(一部Ciona savignyiも含む)において既知の組織特異的発現のみられる4種類のプロモーター群(筋肉、光受容体、耳石、口陥特異的発現遺伝子の上流配列)を用意し、各々のプロモーター構造のモデル化を試みた。モデル化の方法は、まずWeeder, MEMEなどの共通モチーフ抽出プログラムを併用して、頻出モチーフを抽出し、各々のモチーフの中で、異なる位置の間で塩基出現に相関が認められた場合は、その効果もとりいれたスコア行列を作った。次にそれらのモチーフモデルが、便宜上、近接側、遠方側の二つにわけた上流領域中で各々どのような順序で出現するかを、マルコフ連鎖を用いた確率遷移モデルで表現した。各々の組織特異的プロモーター群について得られたモデルを、ゲノム中の全遺伝子の上流配列に適用し、それぞれがモデルに適合する確率を計算して、高確率が得られた上位50遺伝子を選び出した。それらの中にはモデル構築に用いた既知遺伝子が高頻度で含まれていたことを確認し、その他の遺伝子の機能を、コードされたタンパク質配列をデータベースでBLAST検索することで推定してみたところ、それぞれ、有望な新規特異的発現遺伝子候補が含まれていた。とりあえず、筋肉特異的発現遺伝子候補の中から5つを選んで、in situハイブリダイゼーション実験を行ったところ、筋肉だけで発現がみられたわけではないが、そのうち3つについては、筋肉での発現が観察された。残りの組織の候補についても現在、検証実験を進めている。また、モデル構築法の改良についても、線虫などのデータも併用することでさらに努力を重ねているところである。
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Research Products
(1 results)