2006 Fiscal Year Annual Research Report
trans-スプライシングに連鎖した非コードRNAによる新規な翻訳調節機構の解析
Project/Area Number |
17310115
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
島田 浩章 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (70281748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 尚志 農業生物資源研究所, 上級研究員 (90370650)
松本 謙一郎 東京理科大学, 基礎工学部, 助手 (80360642)
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Keywords | イネ / 非飜訳RNA / 遺伝子発現調節 / 形質転換体 / 飜訳調節 / RNAi個体 / 発生・再分化 |
Research Abstract |
第6染色体と第10染色体に分かれてコードされてプロティンキナーゼSPK遺伝子の第1エキソンは翻訳領域を含まない非翻訳領域である。この機能を探ったところ、この転写産物のうち、後半部とtrans-スプライシングされる前半のmRNAの量は非常に少なく、その多くはSPKの翻訳は関与せず、独自なnon-coding RNAとして存在することが示唆された。さらにこの領域の逆鎖には、新たに機能未知な遺伝子が存在することがわかった。この遺伝子産物はMAP kinase activation factorと若干の相同性を示したため、この遺伝子をOsMacと名付けた。このことから、この逆鎖にあるSPKの第1エキソン部分はnon-coding RNAとしてOsMacの発現制御に関わっている可能性が示唆された。そこでこの転写産物をOcMacWin (OsMac with non-coding RNA)と呼ぶことにし、両者の関係を探った。GFPとの融合タンパク質を用いた細胞内局在部位の解析を行ったところ、OsMacの転写産物は細胞膜に局在することがわかった。OsMacの発現は発芽直後に高く、成長するにつれて発現量が低下した。また、この遺伝子発現をRNAiにより抑制した形質転換体の作成を試みたが、再分化個体が得られなかった。このことからこの遺伝子は、種子の発芽時や、カルスからの再分化時に重要な機能をしている可能性が示唆された。そこでポリヒドロキシアルカン酸を生産させた形質転換体イネは再分化効率が極端に低下するため、この形質転換体カルスでのOsMacの発現を調べた。まず、GC/MSによりポリヒドロキシアルカン酸の生産を確認した後、この個体からRNAの抽出を試みた。一方、OsMacWinの機能を探るため、これをRNAiで抑制した形質転換体を作出した。しかしこれらには顕著な表現型は認められなかった。
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