2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17310119
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
藤田 泰太郎 Fukuyama University, 生命工学部, 教授 (40115506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 健一 神戸大学, 農学部, 准教授 (20230732)
広岡 和丈 福山大学, 生命工学部, 講師 (20389068)
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Keywords | 枯草菌 / ゲノム / 抗生物質 / マイクロアレイ / 発現制御 / 薬剤耐性 / 転写制御因子 / レギュロン |
Research Abstract |
19年度に研究が進展したのは、MarRファミリーに属するYhbI蛋白質の機能解析である。この蛋白質は、yhbIJ-yhcABオペロンの先頭の遺伝子で、このオペロンのリプレッサーと考えられる。YhbJとYhcAは、MFS型のトランスポーターと思われ、最後のYhcBは、大腸菌のTrpR結合蛋白質に類似性を示す。YhbIの結合部位はyhbIのすぐ上流にあり、また1acZ融合実験でこのオペロンは、インドール酢酸により誘導されることが判った。脂肪酸のβ-酸化に関わるYsiAレギュロンの制御系の解明では、CcpB(catabolitecontrol protein B)が、このレギュロンに属する1cfA-ysiAB-etfBA、yhfLとyusLKJオペロンの発現を抑えている事が判明した。また、胞子形成の初期に枯草菌同士の共食い(cannibalism)現象が見られ、その際yusLKJオペロンの顕著な誘導が報告されているが、枯草菌168株ではこの誘導が殆ど見られない。168株より野生型に近いと思われるPY79株では、顕著に誘導され168株には誘導に必要な因子が欠如していると思われた。 リンコマイシン耐性に関与するLmrAのパラログであるYxaFの機能解析を進めた。YxaFの結晶構造から、フラボノイドとの相互作用に関与していると思われるアミノ酸をアラニンに置換した変異YxaF蛋白質を作製したところ、フラボノイドに応答しないものや結合能が極端に低下したもの、あるいはこれまで相互作用しなかったクメステロールやタマリキセチンに対して、感受性の高い変異YxaFをも獲得できた。 DNAマイクロアレイ解析により、ケルセチンやフィセチンで誘導される1mrAByxaGHオペロンの他、互いに逆方向に転写される、yetLとyetM遺伝子を見出すことができた。YetLは、MarRファミリーのHTH蛋白質で、YetMはモノオキシゲナーゼであると推定されている。ゲルシフトとフットプリント解析により、YetLの結合部位が、yetMのプロモーター領域(転写開始点の極下流)とyetLのSD配列と重なるところにあることが判明した。YetLのDNA結合実験および1acZ融合実験により、誘導物質は、アピゲニン、カンファロール、モリン、ルテオリンなどのB環の4位にOH基をもつものである事が判った。
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Research Products
(3 results)