2005 Fiscal Year Annual Research Report
自然免疫の鍵を担う細菌複合糖質リポ多糖ならびにペプチドグリカンの合成と機能研究
Project/Area Number |
17310128
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
深瀬 浩一 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80192722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 ゆかり 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00362616)
田中 克典 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00403098)
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Keywords | 自然免疫 / 免疫増強 / 複合糖質 / リポ多糖 / ペプチドグリカン |
Research Abstract |
リポ多糖の活性部位リピドAについて、脂肪酸部を架橋した配座固定類縁体を合成した。配座固定類縁体は予想通り活性を有しており、計算による配座解析により活性発現に必要な三次元的な構造要因をほぼ明らかにすることができた。 リピドAの非還元末端側グルコサミンを酸性アミノ酸に置換した類縁体を合成し、種々のアシル基を有する類縁体のライブラリーを合成した。ライブラリーの中から、アシル基部分は同一であるが、酸性官能基がリン酸基あるいはカルボン酸基を有している類縁体が、それぞれアンタゴニストならびにアゴニスト作用を示すことを見出した。酸性官能基の違いによって活性が変化した例ははじめてであり、受容体認識に新たな知見をもたらすものである。 ヒトならびにマウスに対してアンタゴニスト作用を示すPhodobacter sphaeroidesリピドAについて、その蛍光標識体の合成を検討した。現在までに、その合成経路をほぼ確立した。 ペプチドグリカン部分構造の効率合成について検討した。蛍光標識体や蛋白質等のコンジュゲートの合成のために、標識部位としてアミノ基を有する二糖ジペプチド、二糖トリペプチド、ならびに二糖テトラペプチド誘導体の合成に成功した。 合成したペプチドグリカン部分構造を、ペプチドグリカン認識タンパク質(PGRP)との相互作用研究に供し、合成四糖が昆虫のPGRPに結合してその活性化を阻害するアンタゴニストであることを見出した。さらに四糖を担持させたカラムを用いて、 PGRPを単離、同定した。 ジアミノピメリン酸含有ペプチドグリカン部分構造の合成のために、光学活性なメゾ-ジアミノピメリン酸の効率合成について検討した。
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Research Products
(8 results)