2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17310140
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
刈間 文俊 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (00161258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若林 正丈 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60114716)
村田 雄二郎 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (70190923)
クリスティーン ラマール 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (30240394)
生越 直樹 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90152454)
伊藤 徳也 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (10213068)
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Keywords | 国語 / 感じ / ナショナリズム / 近代化 / 古典 / 権力 / 教育 |
Research Abstract |
1.前回プロジェクト(「漢字文化圏における言語と近代」基盤研究C/H.12-15)の自己評価と反省 1)出版書『漢字圏の近代』(東京大学出版会2005年)では、「権力」「古典」「文字」の三つの問題系に分けたが、それは結局、分析枠組みを明晰にすることに役立った。もちろん他にも注目すべき問題系はあるにしても、これらが、最大のポイントであることははっきりしたのではないか。 2)漢字文化圏と言いながら、やや、非中国語圏の研究が薄く、中国語圏のものが分厚かった印象は否めない。しかし、研究メンバーの構成上いかんともしがたい。 3)前回プロジェクトでもすでに、ジェンダーの問題や教育制度の問題に論及することがあったが、社会面からの「言語の近代」の分析と国語変革の面からの社会分析がやはり十分とはいえなかった。 4)ベトナムや北朝鮮が漢字を捨てていく過程に、逆の方向ながら、ともに植民地化が大きく関わっていることが明確になったが、中国語圏や日本の場合、国家あるいは社会環境との関係がいかなるものだったのを析出させるのはかなり難しいのではないか。 2.今後推進すべき問題領域の設定 1)いわゆる「文化の政治学」で論じられるような言説の権力がそれぞれの社会に於いていかなる機能を果たしてきたのかを解明する。 2)教育制度或いはその社会の教育観と国語、および、透明で等質な近代システムとの関係を分析する。 3)それぞれの地域相互の交流、影響関係にも焦点を合わせる。 3.その他(個別研究のポイント) 韓国の「学歴社会」が日本以上だという通念はより精緻な実証研究によって検討されなければならないこと、中国の白話運動の中心的人物であった胡適は、白話が社会的に徹底的に実現されることをむしろ恐れた。
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Research Products
(7 results)