2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17310140
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
刈間 文俊 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (00161258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
代田 智明 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60154382)
生越 直樹 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90152454)
ラマール C 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (30240394)
伊藤 徳也 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (10213068)
瀬地山 角 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (80250398)
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Keywords | 近代 / ナショナリズム / 伝統 / 労働力率 / 近代化 / 同姓不婚 / 魯迅 / 漢学者 |
Research Abstract |
<近年の漢字文化圏における高齢者労働、女性労働に対する社会通念> 1)日本社会は諸外国と比べて、高齢者の就業に積極的な社会である。 2)中国文化圏は高齢者の就業に極端に消極的な社会である。 3)それは女性の場合に特に顕著で、日本では労働力率が高くなる40代後半以降で、台湾や中国などでは労働力率の低下が見られる。 4)高齢者の就業に積極的な日本、消極的な台湾、という対比の中で、韓国社会はその中間に位置する。女性労働の面では、その活用に積極的な台湾、消極的な韓国、中間に位置する日本という図式がある。 5)日本・韓国では、近代に形成された母役割規範が未だに崩れておらず、出産育児期に労働力率が下がる現象が継続してみられる。 6)中国・台湾では出産育児期には労働力率が高い状態でとどまる一方高齢期には、急激に労働力率が落ちる。 <韓国における植民地体験と近代化> 漢字を捨てハングルを取り入れた韓国が血縁関係においては「伝統」を再構築していったことの一端を解明した: 本貫と姓が同じ人間が結婚できないという韓国の同姓同本不婚制度が、戦後のナショナリズムの中で、日本の植民地支配の残滓を克服するという観点から、再度構築された。植民地化によって近代を導入され、「伝統」を否定された社会が、植民地からの解放後、「伝統」を新たに再編しなおしていったのである。 <近代中国の近代とナショナリズム> 1)中国を代表する作家魯迅は、作家的表現においてモダンを超え、ポストモダンにまで至ったが、しかし、常に、自分の中のプレモダンを凝視していた。 2)日本による対華文化事業において、中国語の堪能な日本の漢学者が大きな役割を果たした。 <近代における漢字と音声表記の関係> 19世紀末の小学生用教科書で客家語の漢字とローマ字の両方が表記されている「啓蒙浅学」によって、方向を表す成分の記述と分析を行った。
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Research Products
(7 results)