2007 Fiscal Year Annual Research Report
「差異化」を超えるアジアからの試み-持続可能な国際平和協力の構築
Project/Area Number |
17310144
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
吉村 慎太郎 Hiroshima University, 大学院・総合科学研究科, 准教授 (40220735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
マハラジャン ケシャブ・ラル 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 教授 (60229599)
吉田 修 広島大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (60231693)
三木 直大 広島大学, 大学院・総合科学研究科, 教授 (10190612)
町田 宗鳳 広島大学, 大学院・総合科学研究科, 教授 (10334450)
外川 昌彦 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 准教授 (70325207)
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Keywords | 覇権主義 / 平和構築 / 市民社会的公共権 / 同化政策 / 国際協力 / 認識差 / メディア文化 / リベラリズム |
Research Abstract |
最終年度となる本年は打合せ会合を除き、6月から毎月1回のペースで研究会を開催し、各メンバーが研究成果の取りまとめ作業に従事した。まず、町田は様々な分野で漢化が進められるチベットでの現地調査により、中国同化政策の実態を明らかにしようと努めた。小柏は太平洋島嶼諸国の平和構築に向けた長期的・構造的対応として、太平洋島嶼フォーラムが展開する「市民社会」リージョナリズム参加に焦点を当て平和構築の可能性を考察した。東アジア大衆文化の解析を行う尹は、韓流で見た日韓交流、東アジア文化創出ための21世紀の共同体構築と大衆文化における認識差の現状と課題を検討した。関は、近年急増するフィリピン人の海外出稼ぎと移住現象に注目し、トランスナショナルな社会空間における差異化と共同性の動態を継続調査した。吉村はイラン・イラクのナショナリズムの位相を「差異化」の観点から見直す文献調査研究に従事した。三木は台湾を中心とする「華語文学」の展開の諸相を国際的観点から位置付け・整理する作業に取り組んだ。水羽は、戦間期中国の歴史資料から知識人の活動と思想を浮き彫りにし、「リベラリズム」の多義性と現実的制約の狭間を検討した。上原は差異化を超える現地の人々の多様な試みを、「共生の多文化社会」を念頭にデリダとイスラーム哲学者の対話、法哲学者の文化相対主義から再検討した。マハラジャンは、盆地及び周辺の郡を中心に少数民族問題についてネワール民族のネワー・デー・ダブーを取り上げ、少数民族内部の差異化現象を検討した。吉田は印パの平和運動と中間層を担い手とするフィリピンの事例から社会運動としての結節点を見出しにくい状況比較考察した。外川は、日本中東学会(5/13)、IAHR(Bangkok,5/25)、日本文化人類学会(6/2)、京都大学(6/23)、その他の学会・研究会でこのプロジェクトから得た知見の報告に従事した。
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Research Products
(14 results)