2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17320001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 康邦 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (80012508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊野 純彦 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (00192568)
山田 忠彰 日本女子大学, 人間科学部, 教授 (10220386)
壽 卓三 愛媛大学, 文学部, 教授 (30186712)
船木 享 専修大学, 文学部, 教授 (30190119)
湯浅 弘 川村学園女子大学, 人間文化学部, 助教授 (10230608)
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Keywords | 形態論 / 構造主義 / 人文主義 / 有機体論 / イデア論 / 構想力 / 判断力 / 目的論 |
Research Abstract |
平成17年度の本研究組織による研究は、各研究グループによる研究の他に、研究分担者、研究協力者の全体が集まる全体会議を三回開いた。始めの全体会議では、佐藤による研究題目の趣旨説明及び研究組織の研究計画の検討の後に、研究代表者佐藤による、三木清の『構想力の論理』における形態論的研究がはらむカント以降の近代思想史における独自性についての講演があった。それに関連して、研究協力者伊藤による、アドルノの思想における社会理論と芸術理論の交錯についての報告があった。それらの発表にもとづいて、形態論的倫理学についての質疑応答が行われた。第二回目の全体会議では、研究分担者山田による、ヘーゲル美学の展開例としてのクローチェ以降のイタリア美学の研究動向の報告がなされるとともに、研究協力者高橋のアリストテレスにおける倫理学と形而上学の交叉から有機体論がいかに展開するかの報告が行われた。また第三回の全体会議では、研究分担者壽の提題にもとづき、古寺巡礼、風土等における和辻の形態論が、その倫理学とどう結びつくかの検討が行われた。これらの報告を通じて、古今東西の思想が形態論研究という媒介項を通じてどのように出会うかが再確認され、今後の個別研究の方向がより具体的なものとなった。 以上の研究に向けて、会議参加のために旅費の支払いが行われるとともに、書籍購入、またコンピュータ等の機材の購入がなされた。また、それに加えて、平成18年3月に行われる、アレキサンダー・フォン・フンボルト財団後援による『日独哲学シンポジウム』に向けての佐藤の原稿『ヘーゲル『精神現象学』とオートポイエーシス』のドイツ語訳などに費用が支払われた。
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Research Products
(19 results)