2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヴェーダ文献伝承の研究-サンスクリット文献学と南アジア地域研究の複合研究-
Project/Area Number |
17320015
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤井 正人 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (50183926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井狩 彌介 中部大学, 中部高等学術研究所, 客員教授 (40142012)
梶原 三恵子 京都大学, 文学研究科, 非常勤講師
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Keywords | ヴェーダ / サンスクリット / インド / 南アジア / 写本 / ジャイミニーヤ派 / ヴァードゥーラ派 / パイッパラーダ派 |
Research Abstract |
ヴェーダ文献伝承の総合的研究を目的とする本共同研究プロジェクトには、上記研究分担者のほかに、アスコ・パルポラ(ヘルシンキ大学名誉教授)とミヒャエル・ヴィッツェル(ハーヴァード大学教授)が海外研究協力者として参加している。平成18年度の研究実績は以下のとおりである。 藤井とパルポラは、昨年度末、南インドであらたに入手したジャイミニーヤ派サーマヴェーダ写本を分析し、両人によるジャイミニーヤ派文献目録にそれらの写本情報を加えて増補を行なった。2006年7月に、藤井は英国エディンバラで開催された第13回国際サンスクリット学会において本研究に関連する研究発表を行なった。同年11月に、藤井とパルポラは西インド・バローダのOriental Instituteと北インド・チャンディガルのD.A.V.Collegeに保管されているジャイミニーヤ写本の調査を行ない、許可を得て撮影を行なうとともに、それらの写本の出所に関する情報を集めた。 井狩と梶原は、昨年度に引き続き、井狩が入手したヴァードゥーラ派ヤジュルヴェーダの諸写本を精査して、ヴァードゥーラ派文献伝承の総体を記録するとともに、特にシュラウタ・スートラとグリヒヤ・スートラについて、それぞれ王権儀礼(特にラージャスーヤ)と入門儀礼を中心に研究を進めた。井狩が写本をもとに校訂しつつあるヴァードゥーラ・シュラウタ・スートラのうち、ラージャスーヤの箇所について、藤井、井狩、梶原が参加する人文科学研究所の古代インドを中心とした王権儀礼に関する研究会において、新資料として他の研究者の協力のもとに読解をすすめた。 ヴィッツェルは、カシュミールとオリッサ両地域のパイッパラーダ派アタルヴァヴェーダ文献伝承の研究を続行するとともに、ヴェーダ諸学派の地理的な分布と移動についての研究を進展させた。
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