2005 Fiscal Year Annual Research Report
レオ・シュトラウスの哲学とシュトラウス学派政治思想の研究
Project/Area Number |
17320022
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
石崎 嘉彦 摂南大学, 外国語学部, 教授 (80232289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯島 昇藏 早稲田大学, 政治経済学部, 教授 (80130863)
山内 廣隆 広島大学, 大学院・文学研究科, 教授 (20239841)
川出 良枝 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (10265481)
太田 義器 摂南大学, 外国語学部, 助教授 (10277858)
柘植 尚則 慶応義塾大学, 文学部, 助教授 (00305898)
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Keywords | レオ・シュトラウス / シュトラウス学派 / マキアヴェリ論考 / 自然権と歴史 / アルキビアデス問題 / 高貴な嘘 / 政治哲学 / 戦争と倫理 |
Research Abstract |
今年度は、レオ・シュトラウスの哲学とシュトラウス学派の政治思想の研究の初年度であったが、この研究は以前から進められてきた「レオ・シュトラウス政治哲学研究の方法による思想史研究と政治哲学の可能性」(科研研究課題番号13410013)の継続研究という性格もあったため、初年度にもかかわらず、二度の研究報告集会開催、外国語文献の翻訳と刊行、また次なる研究のためのリサーチに取り掛かるといった形で、研究チームの連絡を密にして研究が進められ、予想を上回る成果を上げることができた。 まず5月に主要メンバーが東京で会合を持ち、研究の役割分担を決めるとともにとスケジュールが組まれ、それに従って研究成果を公表する研究会を二度開催した。2005年12月18日に慶應三田学舎で開催された第9回政治哲学研究会では研究分担者である早稲田大学飯島昇藏氏の指導によりまとめられた村田玲氏の研究「知恵と節度-レオ・シュトラウス『マキアヴェリ論考』読解の諸前提について」と、研究分担者中金聡氏の「アルキビアデス問題」が発表された。2006年3月20日の第10回政治哲学研究会では、研究分担者である広島大学山内廣隆氏の下で研究している院生硲智樹氏によるヘーゲルの承認概念を国際関係に適用可能かを問う研究や京大院生上谷修一郎氏のシュトラウスの「高貴な嘘」に関する研究、早稲田大院生近藤和貴氏の「アリストパネス研究」、学術振興会特別研究員西永亮氏の「文化戦争と文化革命」についての研究など4つの研究論文が発表された。 研究代表者石崎嘉彦と研究分担者飯島昇藏は、『ヘーゲル哲学研究』第11号(2005年12月刊行)に「レオ・シュトラウスとヘーゲル」と「マキアヴェリと近代」を発表、また石崎は10月の関西哲学会第58回大会シンポジウム「共同体の崩壊と再生」で「社会哲学から政治哲学へ」を発表、11月の関西倫理学会では研究分担者太田義器氏らを提題者とするシンポジウム「戦争と倫理」をコーディネートし、司会を務めた。 また、研究分担者川出良枝はフランス共和国「パリ国立図書館」において資料収集を行うとともに、パリ高等政治学院の研究者たちに対するインタヴューをおこなった。 また研究成果を公表するため『政治哲学』第4号を刊行(2006年3月刊行予定)し、レオ・シュトラウスの「『都市と人間』への序論」、N・タルコフ「レオ・シュトラウス『自然権と歴史』における正しい生き方としての哲学」、L・ジープの「承認をめぐる闘争」(上)の日本語訳、村田玲氏の論文「知恵と節度」を掲載した。
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Research Products
(7 results)