2006 Fiscal Year Annual Research Report
レオ・シュトラウスの哲学とシュトラウス学派政治思想の研究
Project/Area Number |
17320022
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
石崎 嘉彦 摂南大学, 外国語学部, 教授 (80232289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯島 昇藏 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (80130863)
山内 廣隆 広島大学, 大学院・文学研究科, 教授 (20239841)
柴田 寿子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40235578)
川出 良枝 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (10265481)
中金 聡 国士舘大学, 政経学部, 教授 (90269712)
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Keywords | 政治哲学 / 僭主政治 / ユダヤ思想 / シュトラウス / コジェーヴ / マキアヴェリ / スピノザ / ヘーゲル |
Research Abstract |
本年度の研究では、ユダヤ思想、ヨーロッパやアメリカの近・現代思想との関わりについての研究が加わった。また政治哲学のパースペクティヴが現代世界の諸問題にどのように応答しうるかという問題に対しても取り組みを開始した。 ユダヤ思想との関わりについては、飯島と石崎が同志社大学の「一神教研究」と連携し、とくにシュトラウスのスピノザ、マイモニデス、ファーラービー理解について焦点を絞って研究を進め、それぞれ口頭発表を行い、成果を公表した。またヨーロッパやアメリカの近・現代思想との関わりについての研究では、石崎が中心となって『ポストモダン時代の倫理』を著し、政治哲学の諸概念が応用倫理学のテーマでもある「よき生」や「自然権」や「責任」などとも関わりを持つことを明らかにする作業に取り組んだ。また、飯島はシュトラウスとコジェーヴ論争と書簡の意義を明らかにした。 思想史的な関わりの研究では西永、村田、面、嶋本らが協カ者として加わり、戦間期ドイツ思想やマキアヴェッリ、ヘーゲル、ロールズ、アレントの思想との関わりについて研究を進め、それぞれ「第11回政治哲学研究会」、『政治哲学』第5号その他の雑誌に成果を発表して、研究を推し進めた。また、翻訳でも、シュトラウスの『迫害と著述の技法』第3章を石崎が、ジープの論文「承認をめぐる闘争」を山内らが訳し、『政治哲学』誌に発表した。また、シュトラウスの政治哲学が今日の世界情勢と諸国の政治・外交政策に及ぼしている影響について石崎が『週刊読書人』のインタヴューに応じ、見解を明らかにした。 今年度の研究の締めくくりとして、3月の最終週にドイツからシュトラウス全集の編者でもあるH・マイアー(ジーメンス研究所)教授を招いて、「第12回政治哲学研究会(28日・早稲田、29日・慶応、31日・京大で開催)」を開催した。この研究会によって、政治神学(シュミット)、政治哲学(シュトラウス)、孤独な散歩者(ルソー)をテーマとしたゼミ・講演を聴講し、論議と知見を深め、それを通して研究成果を確認することができた。
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Research Products
(7 results)