2007 Fiscal Year Annual Research Report
1880年代の民間レベルにおける日伊芸術交流史の再検討
Project/Area Number |
17320025
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小佐野 重利 The University of Tokyo, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (70177210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 直之 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (30292858)
浦 一章 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 准教授 (90203596)
福島 勲 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教 (30422356)
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Keywords | 日伊芸術交流 / 1880年代 / ファルサーリ / アレッサンドロ・ヅィレーリ / 横浜写真 / ヴィチェンツァ / エンリコ・ディ、ボルボーネ |
Research Abstract |
研究代表者は,2007年8月にフィレンツェにあるイタリア防衛省の研究機関軍事地理研究所Istituto Geografico Militareの図書館所蔵の50枚の写真からなる写真帖1冊を閲覧調査した。1866年イタリア国蒸気船マジェンタ号の同船した動物学,人類学者エンリコ,ジリオーリの旧蔵であった。写真帖は,それぞれと見開きになるように英文解説シートが貼り付けてあるから,ベアトの写真帖の体栽,装丁とほとんど同じであるが,画質の点で日本にあるベアトのものよりやや劣る。ジリオーニが1866年に横浜で購入したと考えてまず間違いないが,エンリコ自身の証言にあるように,蓮杖から購入したのであるか,蓮杖の手になるベアト写真帖の海賊版なのかは判らない。英文解説シートが,1866年時点で存在した可能性が浮かび上がり,同時に,ベアトの写真原板の多くがスティルフリート,ついでファルサーリの手に渡ったこともこの写真帖との照合から一段と明らかとなろう。 福島による日本で発行された欧米語新聞の記事調査(転写,翻訳)などからファルサーリの横浜での雑貨商,測量家,地図製作者,出版者,写真家,画家という多彩な活動を跡付け,横浜写真の代表的写真家としての彼の活動の全容をほぼ明らかにした。 2007年11月には木下,福島が長崎大学図書館所蔵の写真帖の綿密な調査を行うとともに,研究代表者は,同大学図書館主催の長崎における日本の古写真に関する国際コンフェランス(11月16日,17日)の基調講演を行った。2007年3月に,以上の成果に浦担当のヅィレーリ日記の翻訳を加えて,最終報告書を作成した。
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Research Products
(1 results)