2006 Fiscal Year Annual Research Report
18世紀末から20世紀前半までの英米ユートピアニズムの政治批評的研究
Project/Area Number |
17320044
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
SHEILA Hones The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 教授 (70206035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹治 愛 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90133686)
丹治 陽子 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (90188459)
矢口 祐人 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (00271700)
アルヴィ なほ子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (20313174)
土田 映子 北海道大学, 言語文化部, 准教授 (50313169)
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Keywords | ユートピアニズム / 国際研究者交流 / マルクス主義批評 / ポストコロニアリズム / フェミニズム / ダーウィニズム / 空間論 / ミュージアム批評 |
Research Abstract |
平成18年度は、おもに18世紀末から20世紀前半までの社会主義・共産主義ユートピア、ダーウィニズム的ユートピア、フェミニズム的ユートピアなどに関連する一次資料の調査と二次資料の収集を行った。それにより、マルクス主義批評、コロニアル/ポスト・コロニアル批評、フェミニズム批評といった政治的批評め最新の理論を参照しながら、階級、人種(民族)、性別を軸にしてユートピア・ディストピアの表象を解釈しなおそうと試みた。土田と矢口はアメリカ合衆国で、ホーンズはイギリスで現地調査を行った。これらの調査では歴史的資料やユートピアニズムが過去に実践に移された場所を訪れ、テクストにおけるユートピアニズム表象との関連を考察した。また調査をもとに研究代表者であるホーンズは三本の論文を発表し、海外の学会で複数回発表した。とくに"Contradictory Geographies in Counterfactual Fiction"はユートピア的ナラティヴを文化地理学の理論から再考察する試みである。きらに海外研究協力者のジェームズ・ニールを招聰し、東京大学で研究会を開催し、研究分担者の成果を共有するとともに、文化地理学の観点からみたユートピアニズム研究のイギリスにおける現状について意見交換を行った(なお、ニールの事情で予算を繰り越し、実際の訪日は平成19年度となった)。また、丹治愛は、「都市を歩くこと『ダロウェイ夫人』における文化と意志」のなかで、20世紀前半、後期ヴィクトリア朝以降の田園主義的イデオロギーの流行の背後であらわれつつあった、都市論的ユートピアへの動向を論じた。
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Research Products
(9 results)