2006 Fiscal Year Annual Research Report
ソヴィエト全体主義における文化と政治権力の相克および共生に関する超域・横断的研究
Project/Area Number |
17320047
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
亀山 郁夫 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (00122359)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑野 隆 早稲田大学, 教育学部, 教授 (90143677)
塩川 信明 東京大学, 大学院法学政治学研究科, 教授 (70126077)
望月 哲男 北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (90166330)
渡辺 雅司 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (90133214)
沼野 充義 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 教授 (40180690)
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Keywords | ソヴィエト全体主義 / スターリン権力 / ロシア・アヴァンギャルド / 社会主義リアリズム / ネップ / 二枚舌 / 検閲 / ポストモダン |
Research Abstract |
本プロジェクトの2006年度の課題は、社会主義リアリズムを中心とする同時代の文化状況をめぐる議論である。恒例の合同研究会(2006年9月8日〜9日)では、(1)神岡理恵子「モスクワ美術展<メッセージ展>について」/(2)鴻野わか菜「イリヤ・カバコフの絵本(調査報告)」/(3)梅津紀雄「音楽のジダーノブ体制はいかに修正されたか:政策と創作・上演とのインターラクション」の発表を行い、主として、(3)の梅津発表を手がかりとして、1940年代後半に繰り広げられた分化弾圧の実態を、権力および芸術家の双方の視点から議論した。次の4つの著書をめぐって、書評形式による討論会を行った。(1)桑野隆『パフチンと全体主義:20世紀ロシアの文化と権力』(東京大学出版会,2003年)/塩川伸明『民族と言語□多民族国家ソ連の興亡I』(岩波書店,2004年)/沼野充義『ユートピア文学論』(作品社,2003年)/亀山郁夫『熱狂とユーフォリア』(平凡社,2004年)。この討論会では、主として亀山『熱狂とユーフォリア』をめぐって議論が集中し、20世紀ロシア・ソヴィエトとりわけソヴィエト社会主義74年の歴史における精神史を理解するキー概念として、「熱狂」と「ユーフォリア」の概念の二項対立が果たしてどこまで有効性をもつか議論した。また、本プロジェクトの最も重要な研究対象であるドミートリー・ショスタコーヴィチが2006年に生誕100年を迎えたことを記念し、世界から3名の研究者を招待して、2度にわたる国際シンポジウム、(1)「甦るショスタコーヴィチ」(12月16日、東京外国語大学)/(2)「地球的ショスタコーヴィチ」(12月18日、日比谷公会堂)を開催した。以上
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Research Products
(8 results)