2006 Fiscal Year Annual Research Report
ブレヒトと音楽-演劇学と音楽学の視点からの総合的研究
Project/Area Number |
17320049
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Research Institution | Osaka University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
市川 明 大阪外国語大学, 外国語学部, 教授 (00151465)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大田 美佐子 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (40362751)
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Keywords | 独文学 / 芸術諸学 |
Research Abstract |
今年度は理論、実践の両面からブレヒトと音楽の緊密な関係を検証することがねらいであった。 4月下旬から5月初旬にかけて市川、ルケージーがニューヨークのクルト・ヴァイル・ファウンデーションを訪れ、館長のユーヘム氏の協力を得て、ヴァイルの様々な資料を収集した。古書店でもヴァイルの英文の文献を集めた。ブレヒトのほとんどの戯曲を英訳したエーリク・ベントリー氏を訪れ、インタビューを行った。新たに発見されたコーエン書簡についてもご子息のコーエン教授(ニューヨーク大学)を訪れ、対話を交わした。 7月に「ブレヒト没後50年・ドイツ演劇祭」を市川が代表を務めるブレヒト・ケラーが主催者となり、開催した。ドイツ、九州などから4劇団が参加したが、市川は一人芝居『肝っ玉おっ母とその子どもたち』、『ゴビ砂漠殺人事件』(『例外と原則』)、ドラマリーディング『リンドバーグたちの飛行』『了解についてのバーデン教育劇』を翻訳・脚色し、上演した。前夜祭では歌手、松浦由美子のブレヒトソングの歌詞翻訳を担当、自らもブレヒトの生涯を論じ、ブレヒトソングの魅力について語った。12月の竹田恵子、松浦のリサイタル「赤いキャバレー」にも協力した。 8月から9月初旬に市川はベルリンのブレヒト祭に参加、読売新聞や演劇雑誌にこの祭典と、ブレヒトの今日的意義について論述した。またブレヒト文書館に通い、『スヴェンボリ詩集』とハンス・アイスラーの関係について探った。ベルリンでクノップ、ルケージー両氏に会い、12月のシンポジウムの打ち合わせを行った。 12月3日に大阪大学中ノ島センター、佐治敬三メモリアルホールにおいてブレヒト国際シンポジウム「抒情詩への回帰--歌としてのブレヒト詩」(阪神ドイツ文学会主催)を開催した。ルケージーがシンガー・ソングライターとしてのブレヒトの音楽観について、クノップが詩「マリー・Aの思い出」について語った。市川は詩「あとから生まれてくるものたちへ」を取り上げ、ブレヒトと作曲家ハンス・アイスラーについて論じた。大田は林光と萩京子を中心に日本の作曲家におけるブレヒト受容について語った。大田は萩らのインタビューを行い、ウィーン、東京を中心に楽譜などの資料収集を継続して行っている。シンポジウムの様子を市川はDreigroschenheftに報告、阪神ドイツ文学会誌にも掲載される。なおこのシンポジウムの報告は、7月に出版予定である。 本年10月、日本独文学会研究発表会において「ブレヒト演劇と音楽」に関するシンポジウムを開催予定で、現在その準備を日本とドイツで平行して進めている。
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Research Products
(5 results)