Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉崎 司 三重大学, 人文学部, 准教授 (60362331)
服部 範子 三重大学, 人文学部, 教授 (00198764)
岡崎 祐士 (財)東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究科, 客員研究員 (40010318)
山本 哲朗 三重大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00127002)
西村 幸香 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (60456738)
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Research Abstract |
ヒトの言語獲得を能にする生得的機構には,こころの他の領域には見られない,言語という領域に固有の性質が含まれるという仮説,また,この領域固有であると考えられる生得的言語獲得機構は,その機能によって下位部門に区分されており,それぞれの下位部門も領域固有の性質を含むという仮説を,言語心理学的手法及び脳科学的手法(光トポグラフィー)を用いて,言語心理レベルと脳レベルの両面から検討することが,本研究の目的である。 .平成19年度は,平成18年度から行ってきた成人被験者を対象とした,言語知識の領域固有性を検証するための実験を引き続き実施すると同時に,実験データの分析結果を言語学と脳科学との双方の立場から詳細に検討することにより得られた成果を,国際学会及び学術誌において発表した。具体的には,先行研究においてfMRIを用いることにより得られた統語部門における操作の領域固有性に関ずる知見が,光トポグラフィーを用いても再現可能であることを検証した後,理論言語学における二つの対立する統語部門の操作に関する仮説の妥当性について,光トポグラフィーを用いた成人被験者を対象とした実験により検討を行った。そのことにより得られた研究成果は,国際学会において発表すると同時に,雑誌論文としても刊行を行った。さらに,査読付き国際学術雑誌への投稿も認められ,本報告書作成時点現在,印刷中である。 平成19度では,以上の成人を対象とした研究成果に基づき,幼児を対象とした実験を行った。予備実験を重ねたが,実験デザインを確立し有効な結果を得るところまでは至らなかった。しかし,今後の幼児を対象としたさらなる研究に向けて,実験デザインの改善点と,今後の見通しを立てることができたのは大きな成果であった。
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