2005 Fiscal Year Annual Research Report
統合的レキシコン理論の開発と言語学教育への応用研究
Project/Area Number |
17320067
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
影山 太郎 関西学院大学, 文学部, 教授 (80068288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦 啓之 関西学院大学, 文学部, 教授 (40283816)
岸本 秀樹 神戸大学, 文学部, 助教授 (10234220)
由本 陽子 大阪大学, 大学院・言語文化研究科, 助教授 (90183988)
小林 英樹 群馬大学, 教育学部, 助教授 (60312865)
中谷 健太郎 甲南大学, 文学部, 助教授 (80388751)
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Keywords | 語彙概念構造 / 受身文 / 辞書 / 複合語 / 移動動詞 / 主要部移動 / 多義性 / クオリア構造 |
Research Abstract |
結果構文と中間構文の適格性に基づいて辞書的知識と語用論的知識の線引きを行った。英語で音放出動詞が移動を意味するようになる現象について,経路句が持つ語彙概念構造の様態部分に音放出動詞の意味を補充する操作を提案した。種々の言語における受身文や再帰構文に見られる例外的な現象が属性叙述という意味機能に収束することを明らかにし,出来事項の抑制というメカニズムを提案した。迷惑受身,直接受身,状態性受身など日本語受身文が持つ多様な解釈が,接辞「られ」が様々な機能範疇に付加されることから導出されることを示した。例外とされてきた外項を含む複合述語を分析し,属性叙述という機能を有することを明らかにした。(以上,影山)/分裂能格性の現象について,幾つかの能格言語の格形態と統語特性を調べ,語彙的アスペクトが重要な役割を果たすことを明らかにした。(浦)/統語構造で主要部移動によって形成される語と形態的な要請により生成される語との違いについて,少なくとも日本語のような膠着言語の場合には形態的な特徴と統語的な移動を結びつける必然性がないことを明らかにした。(岸本)/移動動詞および前置詞句経路の性質を検討した。(松本)/類似した機能を持つ接辞間の競合・相補関係を明らかにした。(杉岡)/複合動詞および複合形容詞・形容動詞の意味解釈が,主要部の項構造により決定されるものと,名詞のクオリア構造の情報を必要とするものとがあることを明らかにした。(由本)/朝日新聞からの資料に基づいて所有および保持を表す漢語サ変動詞の用法を調べ,その意味を明らかにした。(小林)/動詞の語彙概念構造と名詞句のクオリア構造を組み合わることで動詞の多義性を分析した。(松村・板東)/日本語使役動詞の結果状態をキャンセル可能性を過去形「タ」との関わりで検討した。(板東)/「テイル」の多義性をクオリア構造のアスペクト特性から再考した。(中谷)
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Research Products
(24 results)