2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17320072
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
野田 尚史 Osaka Prefecture University, 人間社会学部, 教授 (20144545)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 隆 東北大学, 文学研究科, 教授 (00161993)
高山 善行 福井大学, 教育地域科学部, 教授 (90206897)
岸江 信介 徳島大学, 総合科学部, 教授 (90271460)
尾崎 喜光 国立国語研究所, 研究開発部門, 主任研究員 (10204190)
森山 由紀子 同志社女子大学, 学芸学部, 教授 (20197487)
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Keywords | 日本語 / 対人配慮 / 多様性 / 通時性 / 世代差 / 変異 / 地域差 / 古典語 |
Research Abstract |
2006年度は、調査の立案とその実施というプロセスにあった。これに対して、2007年度は調査の継続とその成果を発表するという段階であった。古典の配慮表現は、上代・中古・近世の各時代において、その事例群がデータベースとして構築された。また、現代の配慮表現については、地域差と社会差という観点からアンケート調査・ロールプレイ方式でのデータ収集がなされ、分析が進んでいる。それらの成果は、「日本語の配慮表現の多様性」と題するシンポジウムで公開された(2008年3月16日、大正大学)。このシンポジウムは、本科研費研究グループが主催したものであり、各地からの研究者を集め、活発な意見交換がなされた。発表内容は次のとおりである。分担者の森山は『落窪物語』の中に見られる謝罪すべき事柄が存在する場面で、登場人物がひたすら過失などの理由説明を行い、決定的な謝罪表現を用いないことを明らかにした。アンケート調査では、同じく分担者の岸江と西尾が、配慮表現の東西差と、都市性による多様性を量的に分析した結果をそれぞれ解説した。また、日高はロールプレイの手法を用いたデータが、配慮表現の様々な手法を捉えるために有効であることを実証している。さらに尾崎は、現代若年層がことばを用いるときに、何に配慮するかについて、その内容を質的に捉える試みを示している。2008年度は、この種の成果をさらに増やし、配慮表現における各時代の特徴を連続的に捉え、現代の配慮表現の地理的・社会的多様性の意義を問うことになる。
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Research Products
(10 results)