2005 Fiscal Year Annual Research Report
京都府行政文書を中心とした近代行政文書についての史料学的研究
Project/Area Number |
17320101
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
小林 啓治 京都府立大学, 文学部, 助教授 (60221975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯塚 一幸 佐賀大学, 文化教育学部, 助教授 (50259892)
石川 登志雄 京都造形芸術大学, 芸術学部, 助教授 (80388199)
稲葉 政満 東京芸術大学, 大学院・美術研究科, 助教授 (50135183)
上島 享 京都府立大学, 文学部, 助教授 (60285244)
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Keywords | 日本史 / 文化財保存 / 文化財修復 / 行改文書 |
Research Abstract |
今年度は3つの柱で研究を行った。第1に、京都府行政文書の紙質と劣化状態に関する調査基準の決定である。七月下旬に研究分担者・協力者の全体会議を行い、調査項目と調査票について議論した。国立公文書館の紙質調査の先例を検討しながら、暫定的な調査票を作成した。調査票については、調査の過程で発生した問題を解決しながら漸次改良を加えた。全体会議の際、紙質の判定方法について専門家の協力を得る必要があることを確認し、10月に元興寺文化財研究所の金山正子氏と東京文化財研究所の加藤雅人氏に紙質調査方法について助言と提言をいただいた。12月下旬には、第2回の全体会議を行い、これまでの調査の成果と改良された調査票および今後の調査方針について議論した。 第2に、京都府行政文書の紙質と劣化状態に関する実際の調査である。調査にあたっては、補助員を毎月平均5名程度雇用した。約500点の調査サンプルを抽出し、05年8月から06年2月まで調書をとって劣化状態を把握することに努めた。単眼鏡によって紙質を判定し劣化状態を記録し、また典型的な劣化状態をランク付けするためにデジタル画像を集積していった。現在のところ35%程度の調査を終えたところである。 第3に、他府県の行政文書の調査である。9月に山口県公文書館と宮崎県文書センター、12月に滋賀県県民情報室、06年2月に沖縄県公文書館・沖縄県立図書館を訪問し、行政文書の保存と劣化状態についての調査を行った。いずれにおいても書庫内見学と調査の後、行政文書の保存方法と修復について意見交換を行った。これとは別に、06年1月に埼玉県立文書館、2月に東京都公文書館の行政文書について、史料群としての残存状況と劣化状態について調査を行った。
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Research Products
(4 results)