2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17320110
|
Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
田中 俊明 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (50183067)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀田 修一 岡山理科大学, 総合情報学部, 教授 (10140485)
高 正龍 立命館大学, 文学部, 教授 (40330005)
吉井 秀夫 京都大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (90252410)
井上 直樹 京都府立大学, 文学部, 専任講師 (80381929)
東 潮 徳島大学, 総合科学部, 教授 (70243673)
|
Keywords | 韓国 / 文字瓦 / 全羅南道 / 松広寺 / 王建 / 王宮里遺跡 |
Research Abstract |
本年度は9月に、全羅南道を中心に調査を進めた。木浦大学校博物館・東新大学校博物館・湖南文化財研究院・順天大学校博物館・松広寺聖宝博物館・双溪寺などである。これらは、発掘調査によって出土した文字瓦を中心にして、その拓本採択・写真撮影・観察を実施した。双溪寺は、大雄殿の解体修理を実施中で、松広寺の末寺であるため、聖宝博物館館長の古鏡師に同行してもらい、屋瓦を実見したものである。写真は、われわれによる記録写真のほか、写真作家で、韓国各地の国立博物館での特別展などの際に遺物・遺跡写真を撮っている呉世允氏に依頼している。採択・観察は、研究協力者として4人の瓦の研究者に依頼して同行してもらい進めた。文字の解読・解釈はわたしと共同研究者の井上直樹で行った。ほんらい予定していた調査時間が確保できず、忠清道方面は、次年度に延期せざるを得なくなったが、全羅南道の調査は、諸機関の知人等の協力を得て、十分に進めることができた。共同研究者の亀田修一・高正龍は、それぞれの都合の時期をえらんで、個別に調査を進めた。当面は、このようなデータ集積作業が中心である。ただし現物を通しての調査には限界があり、報告書の図版・釈読などをデジタルデータとして取り込む作業をすすめている。それは主に、アルバイトによる。文字瓦を通した研究としては、前年までに進めた京畿道河南市船洞の文字瓦について、9世紀の海上交易を推進した張保皐らと関わりがあるというよりは、新羅末の弓裔勢力のなかで、特に南方へ水軍を送って経略した王建との関わりを重視すべきであると考えるようになった。また益山・王宮里遺跡出土の「王宮寺」銘の文字瓦をとりあげ、王宮里遺跡の性格を再考した。共同研究者の亀田修一は、これまでの瓦の研究を総合した著書をまとめ、高正龍は、瓦を対象とする論考を発表している。
|
Research Products
(7 results)