2007 Fiscal Year Annual Research Report
内陸アジア諸言語資料の解読によるモンゴルの都市発展と交通に関する総合研究
Project/Area Number |
17320113
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Research Institution | Osaka International University |
Principal Investigator |
松田 孝一 Osaka International University, 経営情報学部, 教授 (70142304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森安 孝夫 大阪大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70157931)
宇野 伸浩 広島修道大学, 人間環境学部, 教授 (60310851)
村岡 倫 龍谷大学, 文学部, 教授 (30288633)
白石 典之 新潟大学, 超域研究機構, 教授 (40262422)
大澤 孝 大阪大学世界言語研究センター, 中東・アフリカ言語文化圏研究部門, 准教授 (20263345)
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Keywords | 突厥 / ウイグル / 契丹 / モリゴル / 都市史 / シルクロード / 物流 / 碑文 |
Research Abstract |
本科研研究は碑文・文書などの解読,考古遺物の現地調査収集分析研究によりモンゴル高原の遊牧国家における都市発展の事実を解明し,それと中国との交通・物流との相関を探ることを目的とする。2007年前半までの成果はニューズレター01に掲載。本研究のモンゴル側研究協力者А.Очирら著のХар бух бапгас-ба Туул голык саь бахь Υеццк хом, суурцкгууб(ハル・ブフ城趾とトーラ河流域の契丹都市・集落)の翻訳を行い,ニューズレター02として刊行,契丹都市の最新情報を把握。外国調査記録はニューズレター03で公刊。松田は匈奴〜大モンゴル国時代の中国とモンゴル高原間の物流とモンゴル高原の都市建設史の概略をまとめた。突厥時代について大澤はイヘ・アスヘテ銘文を解読,ウイグル時代について森安が同時代の都市建設を明記するシネウス碑文を解読。大モンゴル国時代に関し宇野がペルシア語史料『集史』,モンゴル語史料『元朝秘史』記載のチンギス・カン事蹟を検討,『秘史』の史料的限界を明確にして研究基盤を整備。松川は都市カラコルムの興元閣建設碑を検討,村岡はカラコルムの三皇廟の建設碑を解読,カラコルムにおけるモンケ家の活動を検討し,磯貝健一・矢島洋一はカラコルムのイスラム施設建設碑と別のアラビア文字碑を解読。松井は楡林窟ウイグル語銘文を検討し,甘粛〜ウイグリスタン間の交通について考察。中村はカラコルムの三霊侯廟建設碑を検討,またチベット史料,パクパ字印等を基に帝師・国師について考察,帝師の大都〜上都,漢地〜青海間の交通を解明。白石はモンゴル西部のハルザン・シレグ遺跡採集遺物を分析,遺跡を唐並行期以来のものとし大モンゴル国のチンカイ城とする村岡の見解を支持。詳細は研究成果報告書等に掲載する通りで,所期の研究目的は達成されたと考える。
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Research Products
(29 results)