2006 Fiscal Year Annual Research Report
統一新羅時代瓦の総合的研究、集成、編年、製作技術、日韓古瓦の比較、文字資料の検討
Project/Area Number |
17320126
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
高 正龍 立命館大学, 文学部, 教授 (40330005)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 俊明 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (50183067)
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Keywords | 瓦せん / 顎部施文瓦 / 同笵瓦 / 統一新羅 |
Research Abstract |
平成17年度に引き続き統一新羅瓦せんの総合的研究として、資料の集成に努めながら、これまでの情報を整理し、編年・製作技術・日韓古瓦の比較・文字資料の検討など、それぞれのテーマについて研究を進めた。また、11月に慶州を訪問し、発掘調査現場見学(四天王寺跡、仁容寺跡、月城周辺地区遺跡)、遺跡の踏査、資料調査(芬皇寺・皇龍寺跡)、ならびに慶州在住の瓦研究者との意見交換を行ないながら、それぞれの課題を確認・検討する機会をもった。個別の研究をみると、集成作業は『新羅古瓦の研究』と同程度の数量の瓦の資料について、実測図・写真・拓本・データが提示できるように準備を進めた。熊本市立熊本博物館所蔵瓦については美濃口紀子氏が報文をまとめた。ただ、これまで進めてきた高浜市立かわら美術館の朝鮮瓦せんの資料化については、積み残しが生じた。編年は、多種多様な統一新羅の瓦紋様を解きほぐすには、瓦窯ごとの組列を組み立てる必要であるとの見通しをたて、紋様だけでなく、新たな瓦窯資料、胎土・焼成・製作技術を総合して分類を進めている。 いっぽう新たな研究として、瓦屋根様式と瓦の法量の二項目について検討を進めている。統一新羅に大きく変化する瓦屋根様式については、従来は唐様式の受容が考えられていたが、実は高句麗様式や百済様式が融合、受容したことが想定できるようになってきた。それを実証的に検討するために高句麗の棟瓦を中心に調査をあわせて進行させている。また、統一新羅瓦の法量の検討は、その時期や機能などの検討に資するところがあると捉え、法量のデータ化を行なっている。
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Research Products
(6 results)