2005 Fiscal Year Annual Research Report
南海地域における琉球の歴史地理的実体と意味の総合的研究
Project/Area Number |
17320137
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
高橋 誠一 関西大学, 文学部, 教授 (00025082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 征治 関西大学, 文学部, 教授 (50067633)
平岡 昭利 下関市立大学, 経済学部, 教授 (90106013)
野間 晴雄 関西大学, 文学部, 教授 (00131607)
木庭 元晴 関西大学, 文学部, 教授 (40141949)
西岡 尚也 琉球大学, 教育学部, 助教授 (60336360)
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Keywords | 琉球 / 東アジア / 離島 / 港市 / 農耕技術 / 海洋交易 / ベトナム / 日本町 |
Research Abstract |
古くから南海と呼ばれてきたアジアの海洋世界のなかに琉球は位置する。初年度においては,高橋は琉球の集落形成とその変容を中心に調査・検討した。具体的なフィールドは沖縄本島および奄美諸島である。あわせて,中国と日本の交流を示すものとして長崎市の唐人屋敷地区の歴史景観復原を試み,その景観の中に東アジアの伝統的地理観が認められることも指摘した。野間は,沖永良部島で琉球的な農耕文化の特色について調査した。伊東は,那覇の都市・商業構造について考究した。また,ベトナム沿岸部は16〜17世紀前半まで日本や琉球との交易や交流が盛んな地域であったが,とりわけ中部のフエやホイアンは琉球国との交易拠点となり,日本町も形成された。これに関して,野間は港市の形成条件と交易ネットワークについて検討した。また西岡と筒井はベトナム南部・北部における村落組織の究明と琉球世界観との関連について調査した。木庭・貝柄はベトナムと沖縄本島の歴史的港湾が立地する砂丘・浜堤の地形を調査した。また,両名は沖縄本島で,更新世後期から完新世後期における海岸の堆積構造や岩盤崩壊解明のための年代資料採取,地形分析を行った。平岡は,明治〜大正期における琉球および南シナ海の無人島への日本人の進出過程についての公文書の検索・複写・解読を行い、尖閣諸島などの島々では、明治20年代からアホウドリやヤコウガイを求めて、多くの日本人が進出していたことなどを明らかにした。研究協力者の岡本は那覇の市街地形成史,森田は首里城下町に関する文献資料収集と予備的調査を実施した。Tranはベトナムと琉球関係の資料収集と現地調査時における交渉を行った。なお,琉球とベトナム以外のフィールドとして,橋本は台湾およびフィリピンにおいて現地調査を実施し,農作物の栽培様式・儀礼・生活様式等の検証につとめ,伝統的農作物の伝播ルートの解明を試みた。
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Research Products
(14 results)