Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野間 晴雄 関西大学, 文学部, 教授 (00131607)
平岡 昭利 下関市立大学, 経済学部, 教授 (90106013)
筒井 由起乃 追手門学院大学, 文学部, 講師 (10368186)
貝柄 徹 大手前大学, 人文科学部, 助教授 (10221863)
西岡 尚也 琉球大学, 教育学部, 助教授 (60336360)
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Research Abstract |
琉球と日本の関係性とその投影としての歴史地理実体の通時的・空間的な解明のために、沖縄本島,八重山郡与那国町,奄美諸島などを中心に現地調査を継続している。とりわけ大きな共同調査は,関西大学地理学専修の院生・学生の協力による与論町の総合調査である。サンゴ礁海岸の形成過程,文化民俗の伝統と創生,畜産とサトウキビ農業,観光の内部活性化などのテーマで,成果は高橋・野間・木庭を含めた28名の執筆による報告書として刊行した。あとひとつは,琉球に関する他分野の現地研究者やベトナム研究者との交流である。07年2月に沖縄県公文書館で国際研究集会を開催し,市民も含めて80名以上の参加を得た。研究協力者のベトナム研究者3名は琉球交易の拠点であったホイアンやベトナム土地制度史,ハノイの歴史地理分析を発表し,筒井が通訳を担当した。高橋は首里の石巌當の歴史地理的意味,野間は世論地総合調査の総括,平岡は尖閣諸島への日本人進出課程を発表した。沖縄県中・北部地域の現地討議では,高橋・西岡・貝柄が現地案内を担当した。また06年7月には沖縄国際大学で日本地理教育学会が開催され,西岡は江戸幕府末期琉球を経由でジョン万次郎が持ち帰った世界地図が,当時の日本人にどのような影響を与えたかを地理教育の視点から考察した。野間も沖永良部島の園芸農業の変化を発表した。 個別研究では,高橋が国頭郡今帰仁村や与那国の集落景観,平岡が南シナ海の東沙群島、西沙群島、南沙群島への日本人の進出に関する資料の検索と収集を行い,筒井は沖縄とベトナムの村落組織の比較研究を実施した。橋本は琉球,台湾,フィリピンをフィールドした根栽農耕文化の歴史的交流を調査中である。 さらに海外調査では,野間,西岡,貝柄,筒井が07年3月に琉球交易にゆかりのある中国華南地方の厦門,泉州,福州を訪問し,琉球墓や遠来駅跡,海事史博物館などを視察し,琉球との関係を考察した。
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