2007 Fiscal Year Annual Research Report
「仕事」の多様性と変容に関する人類学的研究-ジェンダー視点による国際比較
Project/Area Number |
17320139
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
中谷 文美 Okayama University, 大学院・社会文化科学研究科, 准教授 (90288697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇田川 妙子 国立民族学博物館, 先端人類科学研究部, 准教授 (90211771)
石川 登 京都大学, 東南アジア研究所, 准教授 (50273503)
今野 美奈子 神戸大学, 国際文化学研究科, 准教授 (20346232)
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Keywords | 仕事概念 / ジェンダー / ワークスタイルの多様化 / 文化人類学 / オランダ:イタリア:マレーシア:ブルガリア |
Research Abstract |
各研究分担者および研究協力者は、前年度に引き続き、各自の調査対象地域において、現地調査を実施したほか、最終年度の成果取りまとめに向けて、入手データの分析を進めてきた。中谷文美は、今年度は2回にわたってオランダで調査を行い、政策関連文書を入手したほか、これまでのインタビュー対象者の枠をさらに広げ、異なる属性の男女にインタビューを実施した。宇田川妙子は、イタリアの都市において、町在住の人々、とくに若い世代のライフヒストリーの聞き取りを実施したほか、イタリアの労働政策、イタリア人の労働観をめぐる関連文書を入手ししたほか、これまでのインタビュー対象者の枠をさらに広げ、異なる属性の男女にインタビューを実施した。宇田川妙子は、イタリアの都市において、町在住の人々、とくに若い世代のライフヒストリーの聞き取りを実施したほか、イタリアの労働政策、イタリア人の労働観をめぐる関連文書を入手した。石川登は、引き続き東マレーシアのクムナ川流域社会を対象とし、とくに「労働」「仕事」をめぐる語彙的意味と社会的文脈の歴史的変化について調査・考察を行った。金野美奈子は、主としてジェンダーと労働をめぐる理論的文献の読み込みを行った。松前もゆる(研究協力者)は、EU加盟を背景とするブルガリアの労働状況の変化に関する調査を実施した。このほか、平成19年度は2007年7月15日、2008年2月27日の2回にわたって研究会を開催した。まず、第1回の研究会では、ゲストスピーカーとしてお招きした阿部真大氏(学習院大学非常勤、社会学)より、これまで調査してこられたバイク便ライダーやケアワーカー、さらに配管工といった事例に即して、現代日本社会における労働の現況および労働観をめぐっての研究報告があり、外部からの参加者も含め活発な意見交換が行われた。また、研究分担者の石川登氏が、昨年度末に実施した現地調査について報告した。第2回研究会では、今年度各自が実施した現地調査の内容を全員が報告したほか、来年度の学会発表および成果取りまとめに向けて、全体で討論を行った。最終年度となる平成20年度は、日本文化人類学会の研究大会において分科会を組織するほか、メンバーの一部がアメリカ人類学会の年次大会で発表を行う予定である。
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Research Products
(9 results)