2005 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジア・中東地域の国家制定法と伝統的秩序規範の協働関係に関する法文化的研究
Project/Area Number |
17330003
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
後藤 武秀 東洋大学, 法学部, 教授 (90186891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 明 東洋大学, 文学部, 教授 (50079224)
佐藤 俊一 東洋大学, 法学部, 教授 (80114180)
小林 修一 東洋大学, 社会学部, 助教授 (10215329)
子島 進 東洋大学, 国際地域学部, 助教授 (90335208)
石丸 由美 東洋大学, アジア文化研究所, 客員研究員 (80408989)
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Keywords | 東南アジア / 中東 / 国家制定法 / 伝統 / 価値規範 / 協働関係 / イスラーム / 華人 |
Research Abstract |
アジア諸地域においては、「伝統的秩序規範」と近代以降のヨーロッパ文化の影響によって整備されてきた「国家制定法」との協働関係について、従来法学的な側面から解明されることは少なかった。しかし、今日、伝統的規範と宗教規範とりわけ「イスラーム法」が国家制定法と共にこれらの地域の秩序を形成している。 本研究では、広範なアジア地域のうち、イスラーム法の影響の強い、東南アジア・中東地域に対象を限定して、「国家制定法」と「伝統的秩序規範」とを比較しながら、それがどのような協調関係にあるか、その関係がどのように変化してきているのかの法文化的解明に努めた。 平成17年度は、研究分担者間において3年間の研究方針をたて、研究代表者である後藤武秀を中心とする東南アジアにおける研究と、後藤明を中心とする中東地域における研究の2班体制を組んだ。東南アジア班では、後藤(武)が華人社会における研究を進めながら、佐藤がタイ、シンガポールにおける研究を進めて、伝統的価値規範と国家制定法の軋轢を確認することができた。さらに東南アジアに強い影響力を有するオーストラリアにおいて流入する新興イスラーム勢力の台頭によって、地域全体における均衡の変革の一端を明らかにすることが出来た。一方、中東班では、後藤(明)が歴史学的に伝統的価値規範の形成過程の研究を進め、子島は現在進行中のNGOの形態によるイスラームの伝統的価値規範と国家制定法との共存の解明に努めた。石丸はオスマン帝国下のアルバニア人の研究から、キリスト教価値規範とイスラーム的価値規範がオスマン帝国の国家制定法といかに関係しているかを解明した。三沢は明治期日本におけるイスラーム思想が日本社会の伝統的価値規範にどのように関係したかを解明した。
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Research Products
(6 results)