2006 Fiscal Year Annual Research Report
居住福祉所有法学から見た団体論・地方自治・補完性原理
Project/Area Number |
17330022
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉田 邦彦 北海道大学, 大学院法学研究科, 教授 (00143347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 和男 長崎総合科学大学, 大学院工学研究科, 教授 (60116241)
亘理 格 北海道大学, 大学院法学研究科, 教授 (30125695)
人見 剛 北海道大学, 大学院法学研究科, 教授 (30189790)
遠藤 乾 北海道大学, 大学院公共政策学連携研究部, 教授 (00281775)
藤谷 武史 北海道大学, 大学院法学研究科, 助教授 (90313056)
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Keywords | 居住福祉 / 所有権 / 団体 / 地方自治 / 補完性 |
Research Abstract |
今期の研究は、第1に、中山間地の居住福祉と市町村合併、さらには自治体破綻との関係、第2に、都市における居住福祉と再開発問題、貧困地区における非営利団体の意義、第3に、障害者の居住福祉と自治体の取組み、障害者自立支援法との関係、第4に、非営利団体研究ないし今後の福祉国家・社会における意義の研究に分けられる。 第1については、林業の空洞化の実態調査もかねて奈良県吉野川上村でシンポを行い(06.5)、日南棚田サミットに参加し(06.10)、さらに「北の湘南」といわれる伊達市の地域再生の取組み調査・シンポ参加(06.9)など行い、札幌地方自治研究会で、市町村合併と居住福祉との関係につき研究報告をした(06.8)。また、わが国で最初の居住福祉条例を制定したことで有名な愛知県高浜市を訪ねて、森市長らとインタビューして、財政面で、旧来の土建国家から脱皮して、福祉関連予算を充実させることの意義を目の当たりにした(07.1)。 第2については、諸外国との比較ということで、アメリカでの都市調査を行い(居住隔離が激しいボルティモァ市(06.7)、観光都市の裏側でドーナツ状の存するワシントンDCの貧困地区調査(07.1))、また、上海で日中韓の居住問題会議を企画したのにあわせて同都市の中心部、郊外における都市開発と居住福祉上の問題を調査・分析した(06.9)。その他のアジア企画としては、韓国釜山東亜大学の講演で居住福祉に関する日韓比較も講じた(06.8)。 また第3に、今年度から少し力点を置きつつ新たに始めたのは、障害者問題と居住福祉とのかかわりであり、居住福祉学会の和歌山県南部市の大会はこれを統一テーマとした(06.5)。さらに、知的障害者問題のノーマライゼーションの先進地域である伊達の地域支援センター旭寮を再訪して障害者自立支援法が齎す影響など今日的課題を小林所長と対談したし(06.9)、高浜市の障害者の雇用創出の取り組みを視察した(07.1)。 第4に、非営利団体の居住福祉問題への取り組みにおける意義は、最終年度にかけて深めて行きたいが、昨今の福祉スキームの変遷、格差社会の進行への打開策につき、研究会を行い(07.3)、また、自治体破綻した夕張市で再生に向けての関連NPO関係者に集まってもらって現地シンポを開き(06.12)、日本労協との連携もとりつつ、この問題の研究を深化させていきたい。
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Research Products
(15 results)