2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17330045
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
吉田 あつし 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 教授 (60240272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村澤 康友 大阪府立大学, 経済学部, 教授 (00314287)
三橋 平 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 助教授 (90332551)
鹿野 繁樹 大阪府立大学, 経済学部, 講師 (80382232)
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Keywords | 医療経済 / 大学同窓ネットワーク / 産業組織 / 歯科医院の参入退出 / 診療所の参入退出 |
Research Abstract |
本研究は、医療サービスの供給サイドに着目し、診療所・病院がどのような特徴を持つ市場に直面しているのか、および主たるサービス提供者である医師の供給はどのような組織の下で行われているのかという医療サービス産業の市場と組織の問題を実証的に分析することを目的としている。平成18年度は、産業組織の問題について、三つの研究を行うと同時に、診療所・病院の市区町村別データおよび大阪府の個票データを整備した。第1に、計量経済学的な研究として、空間的なスピルオーバー効果をモデル化した空間自己相関モデルで、説明変数に内生変数があるときに、パラメータの一致推定量を求める手法を開発すると同時に、適切な操作変数をどう選ぶかについて検討した。学閥による医師の供給が支配的だと考えられる場合には、医科(歯科)大学からの距離が操作変数として適切であること、操作変数を条件とする尤度関数を構成することにより一致推定量が得られることが明らかになった。第2に、市区町村で集計されたデータおよび大阪府内の病院の個票データを用いて、競争の程度と療養病床選択の関係を分析した。その結果、一般病床を持つ病院間の競争が厳しいほど、一般病床から療養病床に転換する傾向があること、介護施設を持っている場合にもその傾向があることが示された。第3に、国民健康保険、介護の保険の保険者ごとの医療(介護)サービス需要関数を推定し、保険者のモラルハザードを抑制でき るような財務システムを採用している介護保険では、医療保険よりもモラルハザード程度が小さいことが確認された。
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Research Products
(5 results)