2006 Fiscal Year Annual Research Report
労働市場の情報化・サービス化と外国人労働者の就労に関する実証的な研究
Project/Area Number |
17330061
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
依光 正哲 一橋大学, 名誉教授 (80017631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉田 良樹 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (60161741)
林 大樹 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (70180974)
佐野 哲 法政大学, 経営学部, 教授 (20366826)
大竹 晴佳 新見公立短期大学, 地域福祉学科, 専任講師 (00413526)
西野 史子 一橋大学, 大学院社会学研究科, 専任講師 (40386652)
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Keywords | 外国人労働者 / 国際分業 / サービス経済化 / 介護サービス / 情報サービス / 遊興飲食費 / グローバリゼーション |
Research Abstract |
日本のサービス経済部門における外国人労働者の就労に関して、その実態を解明するとともに、経済や社会の構造に及ぼす影響を評価するための理論的な研究を行った。実態調査の対象業種としては、本年度(平成18年度)は遊興飲食産業を重点的に取り上げ、なかでも「興行」ビサで入国するフィリピン人女性エンターテイナーの就労実態の解明を行った。関係者等からの聞き取りにより、フィリピン人エンターテイナーの特殊な搾取状況を強調する通説は、必ずしも実態を正確に反映しておらず、遊興飲食産業において日本人ホステスなどを対象として形成された労働市場の旧来からの慣行が彼女たちに適用されている側面(日本人労働者との共通性の側面)が大きいことが明らかにされた。 実態調査の対象職種としては、情報サービス部門についても、日英比較の観点からの聞き取り調査を行った。日本と英国の情報サービス分野の労働市場においては、技能形成や資格認定に関して類似する公的なフレームワーク(日本のITSSと英国のSFIA)を有しており、外国人技術者の受け入れにさいしても公的フレームワークの活用が試みられているものの、その成果という点では、日本は英国に比べて大きく遅れていることが明らかにされた。 理論研究に関しては、サービス経済化にともなう、サービスの提供者と享受者との空間的配置のグローバル規模での変動という視点に注目し、サービス経済化の議論とグローバリゼーションの議論を連結させた社会理論の構築に向けた考察を行い、研究会などで議論を深めた。実態調査を担当する研究班からもこの点についての現実的な知見が提供された。
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Research Products
(9 results)