2006 Fiscal Year Annual Research Report
社会経済体制が及ぼす企業家のリスク認識への影響:日本のハイテク産業のケース
Project/Area Number |
17330068
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
岡田 仁孝 上智大学, 国際教養学部, 教授 (50158812)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
METHE David T. 関西学院大学, 経営戦略研究科, 教授 (50294244)
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Keywords | リスク心理学 / 企業家 / 社会経済体制 / 支援体制 / 補完性 / バイオ / ナノ / 半導体 |
Research Abstract |
日本人はリスク回避的で起業家が少ないと言われているが、最近、最先端技術を駆使する企業が多く出てきている。体制経済学によると、たとえ一つの体制が規制的であっても、他の体制が補完的に是正し、新しい方向性を作り出す。このことは、社会的価値観がリスク回避的であっても、支援体制を導入することにより、リスクを取る行動を奨励できることを意味している。このプロジェクトでは、リスク心理と支援体制の補完性を研究する。 2年次の活動として、昨年度作成した郵送用質問票のプリテスティングから始めた。岡田がバイオ2社とナノ1社、Metheが半導体1社と院生を対象に行った。その結果、郵送用を4回、それに伴い昨年度完成させたインタビュー用を更に2回改訂した。当初は、同じ企業に2回郵送する予定であったが、予定した他の財源を取得できず、1回に留めざるを得なくなった。また、プリテスティングの作業と並行して、学生を使い郵送用質問票を印刷し、昨年度完成させた企業リストの社長名と住所をウェッブで再チェックし、封筒に住所を書き、予定通り10月に1,521社に郵送した。宛先不明で31通が戻り、配達された1,490社の内53社が返答してきた(回収率3.55%)。数社からのお詫びの電話で、ベンチャーは週1本の割合で質問票を受け取っていることを知り、この極度に低い返答率に納得し、2回目の郵送が出来なかったことに安堵した。 質問票を完成させた時点で、インタビュー調査を始め、2007年3月までに岡田53(当初予定32)社とMethel5(当初予定16)社の計68(当初予定48)社で実施した(プリテスティングを行った4社は完成された質問票で再インタビューした)。極度に低い郵送用の回答率を受け、インタビュー企業を予定よりも格段に多くし、3年次に統計分析ができるよう目標合計数を110社以上と設定した。また、両質問票を同じように分析できるようSPSSでフォーマットを作り、学生を使い郵送用のデータ化とその検査を終了した。Metheと東京と大阪で数回会い討論をした。
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