2005 Fiscal Year Annual Research Report
コンテンツ産業の競争力強化に必要な社会資本整備に関する調査・研究
Project/Area Number |
17330071
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
八木 匡 同志社大学, 経済学部, 教授 (60200474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 卓 同志社大学, 経済学部, 教授 (70156107)
源馬 英人 同志社大学, 言語文化教育研究センター, 教授 (40234653)
田中 靖人 同志社大学, 経済学部, 教授 (10188344)
四谷 晃一 同志社大学, 経済学部, 専任講師 (10351280)
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Keywords | コンテンツ産業 / 文化影響力 / 国家ブランド / 評価手法 / 国際文化交流 / 芸術分野の市場構造 / 創造的活動 / 市場創造 |
Research Abstract |
コンテンツ産業を通じた文化影響力の拡大と産業競争力の拡大の問題を考えた場合、コンテンツ産業を通じて伝えられる文化的影響が、国家に対する尊厳を含んだ意味での国家ブランドの向上と整合的なものとなるかは多くの議論を必要とすると考えられる。また、コンテンツ産業の競争力そのものが、芸術的文化創造活動とどのような関係にあるかについても多くの問題を含んでいると思われる。これらの問題に対して議論を深めることが、コンテンツ産業をどのように育成していくのか、そして文化影響力をどのように深めていくのかという政策的な議論を進める場合に必要になる。 本研究の目的は、上記の問いに対して、議論を整理するとともに、文化影響力拡大を行う場合に、どのような方法が有効となるかについて実証分析に基づいた議論を進めることにある。 分析の結果、国家ブランドを向上させるような文化影響力の拡大が、市場を通じて達成可能かどうかについて大きな問題が存在していることが明らかになった。特に、エンターテインメントではない、高級芸術の創造が、市場を形成できるためには、高級芸術の理解ができる教育を行う必要があり、それは市場のみで解決できる問題とは考えられない。さらに、国家ブランドを向上するために、伝統芸術を海外に広めるような文化交流を進める場合でも、それが海外で吸収されるための工夫を行わなければ、有効性を向上させることができず、そのための調査・研究を進めることが必要となろう。本研究では、この問題に対する調査手法を提唱した。今後、文化影響力の拡大を戦略的に進めるためには、各芸術分野の市場構造を分析し、最小の費用で、創造的活動の成果を市場化させる仕組みを構築していく必要があろう。 研究成果として「国際文化交流による文化影響力拡大と評価手法」同志社大学経済学部ディスカッションペーパーNo.24等がある。
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Research Products
(6 results)