2006 Fiscal Year Annual Research Report
サイエンス型イノベーションの発生原理:産学連携のネットワーク分析
Project/Area Number |
17330082
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
馬場 靖憲 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (80238229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸 眞理子 法政大学, 経営学部, 教授 (60204848)
永原 裕一 明治大学, 政経学部, 教授 (90298042)
鎗目 雅 東京大学, 新領域創成科学研究科, 助教授 (30343106)
七丈 直弘 東京大学, 情報学環, 助教授 (30323489)
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Keywords | イノベーション / ネットワーク研究 / 産学連携 / ビブリオメトリックス / サイエンス・プッシュ / アドバンスト・マテリアル / 光触媒 / IT |
Research Abstract |
平成18年度は日本の光触媒分野の産学連携に着目することによって、新技術の産業化に対して開発コミュニティーの成員が果たした役割をネットワークの視点を入れて定量分析した。具体的には、コミュニティーに属する研究者の論文発表、特許出願実績に着目し、個人の研究開発能力がどのように組織を超えて移転し、企業の産業化パフォーマンスに影響を与えたかについて一連の仮説を立て、定量的な検証をおこなった。以上の作業により、企業がどのような連携戦略をとることで新技術の市場化が成功するか、また、どのような制度によって光触媒の研究開発が促進可能か等、経営・政策的含意に関する分析が可能になる。研究の成果は平成18年6月にソフィア・アンティポリス(仏)で開催された国際シュンペター学会11回総会において発表された。同じく、光触媒分野を対象に、研究者のコミュニティーにおける地位がどのようにその科学活動に影響を及ぼすか、仮説を定量的に検証し、その成果を平成18年4月にバンクバーで開催された国際サンベルト社会ネットワークコンファレンスで発表した。 バイオ分野に対するネットワーク分析に関しては高いリスクを伴う創薬の開発における研究者ネットワークの役割を日米のナショナル・イノベーション・システム間で比較分析した。その結果、ハイリスク・イノベーションの実現のためには研究開発に適したイノベーション・システムとリスクテーキングに適した研究者ネットワークが併存することが必要であることが明らかになった。日本の創薬の活性化に多くの含意を持つ研究成果は平成18年度に研究技術計画に採択が決まり、近日中に出版される予定である。
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Research Products
(4 results)