2006 Fiscal Year Annual Research Report
戦略的提携において組織間学習を促進する社会ネットワーク資本の構造特性の総合研究
Project/Area Number |
17330086
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
若林 直樹 京都大学, 経済学研究科, 教授 (80242155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田尾 雅夫 京都大学, 公共政策連携研究部, 教授 (40094403)
椙山 泰生 京都大学, 経営管理研究部, 助教授 (70323467)
澤邉 紀生 京都大学, 経営管理研究部, 助教授 (80278481)
佐々木 利廣 京都産業大学, 経営学部, 教授 (80140078)
安田 雪 東京大学, 経済学研究科, 特任助教授 (00267379)
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Keywords | 社会ネットワーク / 社会関係資本 / 組織間ネットワーク / 組織間関係 / 戦略的提携 / 組織間学習 |
Research Abstract |
本研究は、日本の組織間関係に於ける提携関係において、組織間学習活動を活性化するネットワーク構造特性を経営的な社会関係資本と捉えて、計量的かつ質的に分析することを目的としている。本年度に於いては、大きく5つのサブテーマを研究した。第一に、研究協力者である泰斗オルドリッチ教授を招聘して、組織学会と共に研究会を行い、米国ベンチャー論においても中心性、ブリッジ紐帯、選択原理を用いたベンチャー・ネットワークの研究が進み、起業の社会関係資本が解明されつつある動向について概括した。第二に、安田らは、日本コンサルティング企業との共同研究を行い、電子メール・コミュニケーションに於いて、一定の内容とネットワーク構造形態とが連関しながら、個人の成果に結びついていることを明らかにした。第三に、若林、山田らは、日本映画産業を文化コンテンツ産業の典型事例として、そこでの製作プロジェクトと製作者のネットワークを経時的に構造分析し、ブリッジ紐帯よりも強い紐帯の方が高業績に結びついていることを明らかにした。また、2006年9月に青山学院大学で研究会を行い、米国映画産業や日本の映画製作ネットワークについての研究会を行い、比較参照を行った。第一から第三の研究成果については、『組織科学』第40巻第3号に「ソーシャル・キャピタルの組織論」という特集号を組み、公表している。第四に、NPOや社会的企業についての研究成果をレビューし、その組織理論に於いては、既に社会関係資本が理論前提に組み込まれていることを理解した。第五に、日本の自動車産業における系列関係の計量分析を展開し、脱系列化の傾向は一定の形で見られるものの、トヨタなどのアセンブリー企業に応じて、その構造変化は違っていることを計量的に確認した。こうした成果については、『経済社会学会年報』2006年第28号に於いて、テーマ・セッション論文として共同発表している。
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Research Products
(18 results)