2005 Fiscal Year Annual Research Report
医療機関の経営におけるバランスト・スコアカードの有効性に関する研究
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17330091
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
高橋 淑郎 日本大学, 商学部, 教授 (00211342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 史安 日本大学, 商学部, 教授 (90120500)
白神 誠 日本大学, 商学部, 教授 (00339243)
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Keywords | バランスト・スコアカード / 病院経営 / BSC導入プロセス / BSCの病院での有効性 / 経営戦略の作成と実行 / 組織改革 |
Research Abstract |
3年継続研究の1年目であり、今年度は、BSC(balanced Scorecard、バランスト・スコアカード)の、これまでの発展形態、医療経営におけるBSCの利用の意味、BSC導入のプロセスの多様性の検討などを行った。その事例研究のため、3箇所の病院、すなわち、導入準備段階の病院、導入中の病院、導入して2年以上経過した病院を実際に訪問し、理事長または院長またはBSC導入責任者に対してインタビューを行い、我々の知識としての検討課題と実際の病院経営としての経営課題を洗い出し、それらの整合性をとれるように整理を行っている。また、高橋が行った、全国2600の病院へのアンケート調査の別の角度からの分析も現在進行中である。 今年度で、明確になった点は、これまで経営の道具あるいはマネジメントあるいは戦略などがまったくなかったに等しいわが国の医療経営にとって、BSCは、初めての職員啓蒙型・参加型の経営の道具であることが示された。これは、欧米の医療BSCの導入事情とは大きく異なる。すなわち、例えば、病院の職員は、忙しいと口にする、しかし、業務を分析すると、多くが、作業が忙しいのであり、仕事を自分で考えて行っていない。これらへの対応としてBSCの導入効果があるように観察された。 さらに、BSC導入病院では、キャプランらが精緻に示した組織全体のBSCからのカスケーディングは、直ちに有効ではなく、病院で独自の工夫が必要になってきている実態も示された。 以上のように、第1年度として、病院などにおけるBSC導入の有効性をいかに検証するかを検討する材料を収集し、それを題材として2年目の、病院での調査や分析の骨格あるいは前提を明確にしたといえる。
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