2006 Fiscal Year Annual Research Report
知的資産の評価・開示モデルと資金調達スキームの構築に関する理論的・実証的研究
Project/Area Number |
17330103
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
榊原 茂樹 関西学院大学, 商学部, 教授 (10030719)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 智敏 神戸大学, 大学院・経営学研究科, 教授 (70153509)
岸田 雅雄 早稲田大学, ファイナンス研究科, 教授 (10030644)
鈴木 一水 神戸大学, 大学院・経営学研究科, 助教授 (90235937)
古澄 英男 神戸大学, 大学院・経営学研究科, 教授 (10261273)
與三野 禎倫 神戸大学, 大学院・経営学研究科, 助教授 (80346410)
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Keywords | 研究開発投資 / ポアソン回帰モデル / ベイズ推定 / 成長機会 / 実証分析 / 知的資産情報 / リアル・オプション / 金融商品取引法 |
Research Abstract |
平成18年度は研究開発投資と株価形成との関連性ならびに将来収益との関連性について,日本の製造業の実証分析を行った.研究開発投資による成長機会の創出を市場は織り込んでいること,また市場の期待が事後的にラグをもって企業の営業収益に貢献していることが確認された.この研究成果を論文「企業の研究開発投資と株価形成」としてまとめた.計量手法に関する研究としては,内生変数を含むボアソン回帰モデルの効率的な推定方法の開発を行い,この研究成果を論文「カウントデータに対する内生的スイッチングモデルのベイズ推定について」としてまとめた. また、「知的資産情報を利用した資金調達スキームの確立」プロジェクトにおいて,まず,メガバンクと地域金融機関に対するインタビュー調査・アンケート調査を基礎として,知的資産情報が融資意思決定にどのように認知されているかを分析し,その積極的利用の可能性が示唆された(「知的資本情報と金融機関の融資決定有用性」古賀・榊原・與三野編著『知的資産ファイナンスの探求』).つぎに,「新株発行届出目論見書」を利用することによって,知的資産情報の開示水準と非財務的指標の相関を発見することを通じて,いかに知的財産情報の開示が資本市場の「情報の非対称性」を緩和するかを検証した(「新規公開(IPO)目論見書における知的資産の開示分析」古賀・榊原・與三野編著『知的資産ファイナンスの探求』). 「知的資産の会計的評価・開示モデルの構築」プロジェクトにおいては,研究開発投資に焦点を当て,研究開発集約型産業における研究開発投資が資本市場においてポジティブに評価され,事後的にも将来の営業利益への貢献として検出されることを示した.さらに,研究開発投資の会計的評価について,いかなる属性を測定し,オンバランスするかについて,リアル・オプション法によって究明した. 平成18年度は新会社法の施行と金融商品取引法が国会で成立したため,これらについての研究を行った.知的財産の評価・開示規制の前提理論研究として,資金調達規制に関わる研究を行った.
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Research Products
(7 results)