2007 Fiscal Year Annual Research Report
被害当事者・家族のライフヒストリーの社会学的研究-薬害HIV感染被害問題を中心に
Project/Area Number |
17330109
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
好井 裕明 University of Tsukuba, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (60191540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 恵子 神戸女学院大学, 文学部, 准教授 (50316022)
桜井 厚 立教大学, 社会学部, 教授 (80153948)
蘭 由岐子 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (50268827)
山田 富秋 松山大学, 人文学部, 教授 (30166722)
種田 博之 産業医科大学, 医学部, 講師 (80330976)
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Keywords | 社会学 / 薬害 / ライフストーリー / 社会福祉学 |
Research Abstract |
2007年度は、これまで実施してきた血友病治療医師と患者、家族の聞き取りについて、まとめに入る作業として、聞き取り資料を匿名化し、内容を編集した。匿名化した資料を聞き取った本人に点検してもらい、資料として論考に使用するための許可などの作業を精力的に進めた。さらに北海道、仙台、東京、静岡、広島においてこれまで聞き取りをした医師や患者への補足的な聞き取りを実施した。また生活史や薬害HIV問題をめぐる経験を聞き取るという調査の場合、何名聞き取りを行えば調査が終了するというものでもなく、実際に聞き取りを重ねるなかで、当時の重要なできごとをめぐり直接経験をされている新たな医師や患者との出会いがあり、さらに聞き取りを進めている。仙台では、新たに2名の医師聞き取りを進め、さらに当時の問題の核心にいたとされる医師へのアプローチを模索している。また関西では、若い世代のHIV治療医師へ、医師の世代間で薬害HIVという問題がどのように語り伝えられているのか、いないのかを中心として聞き取りを行った。また薬害HIV訴訟の中心人物であった石田吉明氏の未整理の資料を閲覧することができ、『京都からの手紙』など当時の貴重な資料を整理するとともに内容分析を試行した。 今年は本科研の最終年度にもあたっているので、今年は8月末の研究会において得られた聞き取りからどのようなことが論じられるのかをめぐり研究分担者や研究協力者で精力的に討議した。その後12月研究会で、この作業をさらに進め、聞き取りをもとにした各自の問題関心からの論考概要をめぐり集中討議した。その成果が、科研報告書では13本の論文として結実している。
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Research Products
(2 results)