2007 Fiscal Year Annual Research Report
二十世紀における「負」の遺産の総合的研究-太平洋戦争の社会学
Project/Area Number |
17330124
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
荻野 昌弘 Kwansei Gakuin University, 社会学部, 教授 (90224138)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 彰 関西学院大学, 社会学部, 教授 (90199422)
松田 素二 京都大学, 大学院・文学研究科, 教授 (50173852)
山 泰幸 関西学院大学, 社会学部, 准教授 (30388722)
打樋 啓史 関西学院大学, 社会学部, 准教授 (20319817)
今井 信雄 高崎経済大学, 地域政策学部, 講師 (60379485)
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Keywords | 社会学 / 文化人類学 / 民俗学 / 歴史学 / 哲学 / 戦争 / 記憶 / 負の遺産 |
Research Abstract |
本研究の3年目、最終年度にあたる今年度は、一昨年、昨年度に続いて、太平洋戦争時における日本国内および旧植民地、および中国大陸、太平洋諸地域など関連地域に関する調査を実施し、戦争に関する関連研究機関との協力関係の構築、図書館、博物館など資料の所在確認と基礎的データの収集に努めた。 本年度の主な成果は、次の点である。 (1)研究代表者の荻野を中心に、日本国内においては、膨大な旧軍用地が戦後社会の展開に大きな影響をもったという知見をもとに、さらに各地の軍用地について、東京、千葉、愛知、広島、福岡などで個別に丹念な現地調査、資料収集を行ったことである。旧軍用地に関する知見は、本研究の最大の成果であり、複数のメンバーが共同調査を実施している。 (2)日本の真珠湾と呼ばれ、真珠湾攻撃の九軍神が訓練をしたとされる愛媛県の三机湾にて、軍神祭祀の現状や軍神に関する資料の収集を実施、現地調査を行ったこと。 (3)戦時中に戦争利用を目的として、アニメーション技術が発達した点について、希少な資料を収集し、また当時のアニメーターから証言を集めたこと。 (4)戦時中の学術言語、哲学、倫理学、宗教学、民族学、民俗学、社会学などが、戦争をどのように語ったのかに関して、社会学的言語の受容という観点から、当時の人文社会諸科学の著作について広く検討を行った。
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Research Products
(5 results)