2005 Fiscal Year Annual Research Report
施設等にいる虐待された乳幼児に対する愛着障害とPTSDの検証とインターベンション
Project/Area Number |
17330138
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
数井 みゆき 茨城大学, 教育学部, 助教授 (20282270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 聡美 国立精神・神経センター, 精神保健研究所・成人精神保健部, 室長 (20285753)
森田 展彰 筑波大学, 大学院・人間総合化学研究科, 講師 (10251068)
後藤 宗理 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (90115569)
金丸 隆太 茨城大学, 大学院・教育学研究科, 講師 (30361281)
遠藤 利彦 京都大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (90242106)
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Keywords | 虐待 / 未組織型アタッチメント / 顔面皮膚表面温度 / 生理学的指標 / 皮膚表面温度 / サーモグラフィ |
Research Abstract |
乳児は不安な場合に、表面の体温が下がることがわかっている。ただし、トラウマ反応については、同様の変化が起きるのかどうか明らかではない。しかし、心拍数の増加など交感神経系の興奮状態はみられることはわかっている。今回、虐待された乳幼児のPTSDやアタッチメント傷害において、生理指標として自律神経系の変化と、観察された行動や情動の状態などとの関連から、乳幼児のPTSDやアタッチメントの阻害の状態を同定していくことが大目標であった。 その前段階として、恐怖刺激が実際に、体表面温度の変化と他の生理的指標(心拍数の変化)と関連するのかどうかを見極めることが必要となった。というのは、そのような関連性については、乳児期においてはほとんど実証されていないためである。まず、成人でそのような変化の有無を検討すると同時に、乳幼児においても、同様の変化が可能かどうかを検討する必要がある。 そこで、本年度の計画に、急遽、成人に対して、非接触型のサーモグラフィによる体表面温度の変化と、指先に取り付けた接触型の皮膚表面温度測定との関連を検証するためのデータ収集が始まったところである。これと同時進行で、乳児院において、乳児の反応を検討するための事前実験をいくつか行っている。成人は、静止した状態でデータが取れるが、乳幼児の場合に、動くことが多く、そのためのデータ収集の工夫とそのデータ整理が必要となった。また、発達時期により、刺激に対する反応が異なることが予想されるため、ある程度の恐怖や不安を感じられるものの、それが乳児の感情システムを調整不能としない程度のものである刺激をうまく取り入れなければならない。その刺激の設定を行っている。
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Research Products
(5 results)