2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17330142
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小椋 たみ子 神戸大学, 文学部, 教授 (60031720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪薗 晴夫 神戸大学, 文学部, 教授 (80153328)
板倉 昭二 京都大学, 文学研究科, 助教授 (50211735)
稲葉 太一 神戸大学, 発達科学部, 講師 (80176403)
末次 晃 神戸大学, 経営学研究科, 助手 (40324892)
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Keywords | 言語 / 認知的基盤 / CDIs / 複数認識 / 意図の理解 / 幼児語の音韻構造 |
Research Abstract |
1、言語獲得の認知的基盤についての文献展望を行い、言語獲得の基盤としての社会的認知、物理的世界の認知についてあきらかにした(小椋)。 2、音声模倣、動作模倣、ふり行動とコミュニュケーション・言語発達との関係について5ヶ月から24ヶ月まで2ヶ月おきの縦断研究を30名について実施している(小椋・板倉)。 3、言語獲得の基盤となる母子の共同注視行動について、生後14ヶ月、21ヶ月のままごと揚面を分析した。14ヶ月から21ヶ月にかけて、子どもの対象への先行注視によって開始される共同注視頻度が増加し、子どもは自発的に関心を示したものへの関心が維持されやすいことを受けて、母親は共同注視を継続させるための注意喚起行動を減少させていくという相互作用の変化を起こすことを明らかにした(小椋)。 4、日本語マッカーサー乳幼児言語発達質問紙の親の報告と実際の観察揚面での発話の語彙分類、助詞、助動詞から妥当性を明らかにした。語彙、文法とも観察と親の報告の相関はほぼ0.70であった。現在、語彙理解について、17ヶ月児を対象として親の報告と実験室での選好注視法による研究が進行中である(小椋)。 5、日本語マッカーサー乳幼児言語発達質問紙の標準化データから、身振り、語彙、文法の急増の時期がパーセンタイル値ごとに異なる実際のデータに適合する言語発達モデル作成のための統計的作業を進めている(稲葉)。 6、複数、単数の区別がある言語(英語)と区別がない言語(日本語)で、複数の認識の発達の日米比較実験を19-27ヶ月児に実施した。日米ともほぼ21ヶ月に1と3、1と4の認識が成立することが明らかになった。 7、「幼児語」(あるいは育児語)と呼ばれる語彙の音韻構造を分析した。プロソディー構造(語の長さや、音節構造、アクセント構造)において、幼児語とオノマトペ(擬音語、擬態語)に共通性が高いことを明らかにし、大人の語彙との比較を行った。また、プロソディー構造に関して、日本語の幼児語と英語の幼児語の間に共通性が高いことを明らかにした(窪薗)。
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Research Products
(12 results)